風の向こうへ駆け抜けろ

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  • サイズ B6判/ページ数 357p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093863759
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

絆、再生、挑戦…圧倒的爽快感の人間ドラマ

芦原瑞穂(18歳)は地方競馬界にデビューした、数少ない女性騎手。敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じた。だが、彼女の受け皿となったのは今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生をあきらめきったポンコツ集団だった。
弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、さらなる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったかのような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。当初は廃業寸前だった厩舎も、瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになる。が、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は…?
偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い…。様々な理由から心に傷を抱え、人生をあきらめかけている人間達の起死回生ストーリー。人は何歳からでも成長できる、そして人生はやり直せる。すべての方々に読んでいただきたい、人生への応援歌となる1冊です。


【編集担当からのおすすめ情報】
もともと乗馬が趣味で馬が大好きな著者がみっちりと一年間かけて取材したからこそ可能になった臨場感溢れる競馬描写、馬好きだからこそ書ける馬への愛情溢れる目線…。
競馬にまったく興味がない人も、競馬好きも大満足の面白さ。そして何よりも、不器用で傷つきながらも懸命に生きる人間への、人生へのまっすぐな愛情が爽やかな感動を呼ぶヒューマンドラマの大傑作です。
読後の圧倒的爽快感を是非体感してみてください。
小説の力を感じるはずです。

プロローグ 4
1 卒業 6
2 出発 17
3 厩舎 28
4 追憶 49
5 初戦 64
6 特別 78
7 秘密 90
8 真相 108
9 苦戦 124
10 決意 136
11 運命 154
12 夜空 167
13 調教 174
14 能試 189
15 認定 206
16 遠征 223
17 女王 244
18 反動 261
19 傷痕 282
20 挑戦 304
21 桜花 336
エピローグ 355

内容説明

地方競馬を舞台に繰り広げられるはみだし者達の熱い闘いと優しい愛の物語。

著者等紹介

古内一絵[フルウチカズエ]
1966年東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年『快晴フライング』(ポプラ社刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

196
古内さん2作目。『マカン・マラン』も良かったが、30年来の 競馬好きだけに本作の方が楽しめた。特殊業界ものだが、何処 でも通じるような人間関係を軸にして、青春ドラマが展開して ゆくので、すんなりと物語に入っていける。地方競馬とJRAの 実態も判り易く書いてあるので、競馬を知らない人にとっては 入門書にもなるかも。難癖だが人物配置や展開が「小説作法の 定型」のようで物足りなかったが、綺麗事に終始せずに主人公 の挫折や現実の厳しさも描いているのは良かった。香りや苦み を効かせたカフェオレのような味わいだった。2017/06/16

nobby

153
その爽やかな表装のまま展開分かりやすく喜怒哀楽を詰め込んだ安心の作品。地方競馬の新人騎手 瑞穂の配属先厩舎には呑んだくれや何だか訳あり曰く付きで曲者揃いな調教師や厩務員達。登録馬も、驚くなかれ何と18歳牝馬ツバキオトメを筆頭に全く走らない馬ばかり…当たり前に勝てず葛藤する日々の中、お約束に悪者な馬主やベテラン騎手の登場(笑)窮地に追い込まれながら一頭の暴れ馬との運命的な出逢いを境に、ようやく本気出した面々に巡り来る奇跡。後半の疾走感は心地よく、思わず叫んだ!「まだだっー!今だ!いけぇええ!!大好きだー!」2017/12/05

🐾Yoko Omoto🐾

149
古内作品初読み。騎手学校を卒業した瑞穂の初めての配属先は、まるでやる気の見えない調教師、自分勝手でいい加減な厩務員たち、凡そレースで通用しそうにない馬が集まる先行き不安な厩舎だった。何かにつけ軽視される女性騎手、厳しい内情を抱える地方競馬、使い捨てられる馬がいる現実など、多額の金銭が絡む業界ならではのリアルな側面を描く一方で、馬に対する熱意や愛情を強く持ち、業界を縁の下で支えている人々の思いが熱く描かれている。ありがちなストーリーでも、逆境に立ち向かい頑張る姿にはやはり胸を打たれるもの。いい作品だった。2017/07/28

けんとまん1007

112
風。好きな漢字・言葉。風を感じる時、いのちを感じる。地方競馬を題材に、いろんな色が添えられている物語。それぞれの思いを持ちながら、それぞれの表現の仕方で明日へ進んでいく。人も馬も、変わりうるのだということ。ポテンシャルをどう感じ、活かすか。挫折の中で、次にどうつなげるか。読み進めるういに、読むのを止められなくなったくらい。このあと、どう、変わっていくのかも、とても楽しみ。2017/07/15

おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…

93
88/100点 最初は期待せずに読み始めたのですが、面白さに惹き込まれ、気がつけば一気読みでした。競馬好きでなくても楽しめる作品だと思いますが、競馬好きな私はより楽しめました。人と馬のふれあいを通じて、失敗と成功を繰り返しながら、主人公と厩舎で働く人たちの人生の絡み合いが丁寧に描かれていて、単なる競馬小説とは違う趣きがありました。地方競馬の置かれている深刻な状況や、競馬社会の中での女性騎手の大変さも、よく調べられていて全然違和感は感じませんでした。読後感も素晴らしくオススメの作品です。続編も楽しみです。2017/08/25

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