世界でいちばん美しい

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093863636
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「船に乗れ!」作者、十年越しの代表作!

雪踏文彦。
ひとは、みな、彼のことを親しみを込めて「せった君」と呼ぶ。語り手である作家・島崎哲も、親友である彼をそう呼んだ。小学校ではじめて出会い、いつもどこかぼんやりしているようだったせった君は、幼少期から音楽の英才教育を受けていた島崎が嫉妬してしまうほどの才能を持っていた。
中学、高校と違う学校に通ったふたりは、あまり頻繁に会うこともなくなったが、大きな挫折をしたばかりの島崎を、ある日、偶然、目の前に現れたせった君のことばが救ってくれる。やがて、再び意気投合したふたりは、彼がピアノを弾いている一風変わったバーで行動をともにするようになった。
音楽のことしか、ほとんど考えていないせった君だったが、やがて恋をして、彼がつくる音楽にも変化が見られ始めた。そんなある日、彼らの前に、妙な男がちらつくようになった。彼は、せった君の彼女・小海が以前、付き合っていた男だった。そして、事件は起こった。

【編集担当からのおすすめ情報】
デビューから十年近く構想を練り続け、ついに辿り着いた著者の新たなる代表作です。

内容説明

音楽に人生のすべてを懸け、ちょっと、全力で恋もした。若き天才音楽家・せった君の三十年の人生。

著者等紹介

藤谷治[フジタニオサム]
1963年東京生まれ。2003年『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Rosemary*

64
純粋に音楽を愛し、虚栄や打算なく飽くなき探究を続けるせった君の姿に魅せられる。ついつい自分の限界を思い知り夢を断念せざるを得ない多くの人たちがいる中、最後まで音楽とともに生きた彼は幸せだったんじゃないかな。音が溢れ出して来るような音楽愛に溢れた作品。2016/03/21

tokotoko

61
まるで文字が♪にみえてくるくらい、音を近くに感じ続ける1冊でした。お話の中で生きている人達もみんな、楽譜の上の音符のように、繋がったり、離れたり。適度な距離を保てた人、遠くで聞いてた人、音の中の中にまで入り込んで生きた人、突然、関わってきた人、永遠に音とかかわり続ける人・・・。人はみんな、その人だけの音符を生きるんだなぁ、って思いました。音楽の"楽"は楽しいって書くのに、このお話は、悲しいです。けれど、一度読むときっと心に残ります。鎌倉が舞台の1冊です。2016/01/02

くりきんとん99

41
「船に乗れ!」と同じように作者の経験がもとに書かれているのかな?書き手である島崎が「船に乗れ!」のサトルと重なる部分が多い。でもすごく良かった。せった君の才能、そして純粋さ。30歳という短い人生が、読んでいる私にも伝わってきた。2014/01/15

ゆみねこ

38
音楽の才能に恵まれた「せったくん」こと雪踏文彦と、一流音楽家の孫である主人公の30歳までの音楽を通した生きざま。「船に乗れ」のあの子の小学生時代を見ることが出来て嬉しかったですね。才能を見いだされ、一流になれる人というのは、稀有な存在なのでしょう。でも、せったくんの楽曲が陽の目を見るようなラストならもっと好ましいと思いました。2014/02/19

おさむ

23
2014年の第31回織田作之助賞受賞作。残念ながら、これはハズレでした。何処が良いんだか、さっぱり理解できず。2015/08/03

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