狗賓童子の島

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  • サイズ B6判/ページ数 555p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863445
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

歴史小説の巨人、6年ぶりの新刊!!

弘化三年(1846)日本海に浮かぶ隠岐「島後」に、はるばる大坂から流された一人の少年がいた。西村常太郎、十五歳。大塩平八郎の挙兵に連座した父・履三郎の罪により、六つの年から九年に及ぶ親類預けの果ての「処罰」だった。
ところが案に相違して、島の人々は常太郎を温かく迎えた。大塩の乱に連座した父の名を、島の人々が敬意を込めて呼ぶのを常太郎は聞いた。
翌年、十六歳になった常太郎は、狗賓が宿るという「御山」の千年杉へ初穂を捧げる役を、島の人々から命じられる。下界から見える大満寺山の先に「御山」はあったが、そこは狗賓に許された者しか踏み入ることができない聖域だった。
やがて常太郎は医術を学び、島に医師として深く根を下ろすが、徐々に島の外から重く暗い雲が忍び寄っていた。

『神無き月十番目の夜』『雷電本紀』『始祖鳥記』『黄金旅風』『出星前夜』と、いずれも歴史小説の金字塔となり得る傑作ばかりを書き続けてきた作家・飯嶋和一。
いつの頃からか、書評家や書店員のあいだで、「飯嶋和一にハズレなし」と語られるようになった作家の6年ぶりの新刊です。
今回も超弩級の大作です。存分にお楽しみください!

【著者紹介】
小説家。1952年山形県生まれ。1983年「プロミスト・ランド」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。88年「汝ふたたび故郷へ帰れず」で文藝賞受賞。(上記の二作は小学館文庫版『汝ふたたび故郷へ帰れず』に収録)2008年に刊行した単行本『出星前夜』は、同年のキノベス1位と、第35回大佛次郎賞を受賞している。この他、94年『雷電本紀』、97年『神無き月十番目の夜』、2000年『始祖鳥記』、04年『黄金旅風』(いずれも小学館文庫)がある。寡作で知られるが、傑作揃いの作家として評価はきわめて高い。

内容説明

太古から島の奥深く「聖域」を抱いてきた流刑の地に、幕末、島民を脅かす「病毒」が次々に入り込んできた。追いつめられた島民たちは、危険な道へ一気に足を踏み入れた―。

著者等紹介

飯嶋和一[イイジマカズイチ]
1952年、山形県生まれ。1983年「プロミスト・ランド」で小説現代新人賞、88年「汝ふたたび故郷へ帰れず」で文藝賞、2000年『始祖鳥記』で中山義秀文学賞、2008年『出星前夜』で大佛次郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナイスネイチャ

191
図書館本。大塩平八郎の乱に加担した父に連座して隠岐の島に15歳で流罪になり、その島民に温かく迎えられ、医学を学び医者として伝染病と立ち向かったり、幕末の混乱に翻弄されずたくましく生きていく物語。かなり細かく丁寧に描かれており、じっくり噛み締めながら読まして頂きました。2016/01/13

初美マリン

132
流刑の島を舞台に大塩平八郎の乱に巻き込まれた常太郎。流人の医者として奔走する。コロリの治療では隔離した漁師や宿の補償をしなければと今のコロナを思い起こさせる。次第に隠岐の島の置かれている立場へと移ってしまった、また島に戻ってきますように。と願う。2020/07/02

KAZOO

119
久しぶりの飯島さんの作品です。1846年から約20年間の幕末の話です。舞台は主に隠岐の島でのことです。かなりよく調べられていて当時の島民の生活状況などがよくわかります。物語によっていかに大変だったかを物語でよく表していると感じました。以前読んだ宮本常一さんの本を思い出しました。エンターテイメントと異なって読むのにはかなりエネルギーがそれなりにいります。飯嶋さんと対峙している感じでした。2018/12/28

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

114
大塩平八郎の乱に連座する形で隠岐の島に流罪になりながらも、けして腐らず島民と共に生きた少年の成長譚。本作も飯嶋作品の特徴の一つである権力の腐敗に対する民衆の怒りといったところををバックボーンに据えていますが、あまり白黒はっきりさせ過ぎないところがより現実味があって良い。絶海の孤島という外界からは閉じられた特殊な環境の中に生きる人々との濃い人間関係の中、主人公・常太郎の分け隔てない誠実で公正な人柄が心地よく印象的な作品でした。2018/10/12

starbro

89
飯嶋和一初読みです。4年間に渡って連載し、6年間かけて出版しただけあって骨太でヘビーな物語です。但し、舞台が隠岐の島なのと主人公がマイナー過ぎるのであまりのめりこめませんでした。同じ流刑地でも私のルーツの佐渡島だったら違っていたかも知れません。しかしながら何時の時代も島民は虐げられるのでしょうか?7月はこちらで読了です。2015/07/31

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