出版社内容情報
「ちょんまげぷりん」作者が熱く描く冒険譚
80年代。効果音や独特の節回しのナレーションなど、サービス精神に満ちた過剰な演出で秘境の地を探検する人気テレビ番組シリーズの撮影クルーたちは、幻の大蛇・ヤーガを求めて亜熱帯の地を彷徨っていた。
もちろん、架空のかたちでしか存在しないヤーガを「登場」させるべく、洞窟にて準備をしていたクルーの一人が、空になった薬莢などを発見。ほどなく、彼の地で現政府の打倒を試みるゲリラたちにより、クルーはあっけなく囚われの身となる。
しかし、彼らがやっていることを朧気ながら理解したゲリラたちは、お互い「バカバカしいまでに死にものぐるい」で片や番組作り、片や政府打倒に臨んでいることに気付き、共感を覚えて歩み寄りを見せる。そして、ゲリラたちの協力により、撮影は再開されるが、反対勢力の現政府軍の狡猾な罠が待ち構えていた――。
荒木 源[アラキ ゲン]
著・文・その他
内容説明
時は80年代。伝説の大蛇ヤーガを探し、密林を彷徨うテレビ番組クルーが、ゲリラに遭遇した…。スリル!笑い!男のロマン!に満ちた目眩く冒険譚。
著者等紹介
荒木源[アラキゲン]
1964年京都府生まれ。東京大学文学部仏文科卒。朝日新聞記者を経て、2003年に「骨ん中」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかだ
40
そういやこれ映画になってたよなあ、とふと手に取った作品。「探検隊シリーズ」の撮影中に現地の反政府ゲリラに遭遇した撮影隊は…。ゲリラを巻き込んでまで探検ドキュメンタリーの撮影を続行しようとする撮影隊の執念が、日本のテレビクルーっぽくて面白かった。中盤まで探検隊のガチ仕事っぷりを楽しく読んでいたのに、だんだんシビアな展開になり最終的にはシリアスなオチが待っていたので、読後感がちょっとフクザツ。藤原竜也主演の映画はかなり笑えるコメディっぽいのでDVDで観てみたい。2017/08/17
ブルームーン
26
探検隊モノのドキュメンタリーを撮影するテレビクルーが現地で武装グループに遭遇し、事態が変わって来る。藤原竜主演で映画にもなったが、原作と映画がテイストが全然違うし、文章の視点がコロコロ変わるので誰の心情なのか分かりにくい。ラストの告白もいらないと思う。2017/02/22
Gemi
21
最近の本選び基準は「読者数が少なそうな本」になっている。自分だけこっそり楽しんでるって気分が心地好いから。そんな天邪鬼な私がチョイスしたのがこの本。聞いたこともないし装丁もなんだかチープ。登録数105。もうちょいで3桁切りそうな具合にそそられる。内容に触れよう。伝説の大蛇ヤーガを探し、ジャングルを彷徨うテレビクルーがゲリラに遭遇する。序盤、これは笑いを取ろうとしてる読み物?と思っていたが読んでる内になんか想像と違った展開に。くだらない事を一生懸命、命をかけてやる男のロマンを感じた。映画化されるようだ。2015/11/20
ムック
14
初読み作家さん。ストーリーはいいと思うんだけど、会話がとらえ辛く全体的に読みにくかった。80~90年代ってこの手の番組がすごく人気で自分も楽しみに観てたなー。何と言うか驚くべきプロ根性を感じた、ラストの行動は如何なものかと思うけど…うーん、テレビマン恐るべし。2013/04/23
たくのみ
10
疑似ドキュメンタリー「探検隊シリーズ」の撮影隊が、南米で反政府ゲリラが遭遇、逃げ出す現地スタッフたち。しかし、テロリストたちをキャストに続きを撮影する職人たちの異常な情熱。蛇3匹に金色の塗料を塗りつけた神蛇「ヤーガ」、演出家が作り出すそれらしいき「伝説」、小道具さんの作った「石版」、妖しげな日本語の「呪文」、繰り出されるお約束の数々。「お前たちのスゴイのは、誰も傷つけないインチキだということだ」テレビマンのパワーが詰まった映像だったから、つい見ちゃうんですね。2015/12/28