くちびるに歌を

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863179
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

書店員さん大注目作家・中田永一最新作!

長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。合唱部顧問の松山先生は産休に入るため、中学時代の同級生で東京の音大に進んだ、元神童で自称ニートの美しすぎる臨時教員・柏木に、1年間の期限付きで合唱部の指導を依頼する。
それまでは、女子合唱部員しかいなかったが、美人の柏木先生に魅せられ、男子生徒が多数入部。ほどなくして練習にまじめに打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化する。夏のNコン(NHK全国学校音楽コンクール)県大会出場に向け、女子は、これまで通りの女子のみでのエントリーを強く望んだが、柏木先生は、男子との混声での出場を決めてしまう。
一方で、柏木先生は、Nコンの課題曲「手紙?拝啓 十五の君へ?」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課していた。提出は義務づけていなかったこともあり、彼らの書いた手紙には、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた--。


【編集担当からのおすすめ情報】
すでに多数の作品を出されているある有名作家の別名義・中田永一氏の最新作になります。中田氏は、08年に「百瀬、こっちを向いて」で、単行本デビューし、各紙誌の年間ベストテンでランキングするなど高い評価を得ています。

中田 永一[ナカタ エイイチ]
著・文・その他

内容説明

拝啓、十五年後の私へ。中学合唱コンクールを目指す彼らの手紙には、誰にも話せない秘密が書かれていた―。読後、かつてない幸福感が訪れる切なくピュアな青春小説。

著者等紹介

中田永一[ナカタエイイチ]
1978年福岡県生まれ。2008年、『百瀬、こっちを向いて』で単行本デビュー、各紙誌の年間ベストテン入りし話題に。別名義での作品も多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にいにい

915
中田永一さんとしては、2冊目。乙一さん流石。読後感が非常に爽やか。合唱部の足並みが揃う過程は 中学の合唱コンクールを思い出し、懐かしかった。中高で何かに夢中になること、あれこれ迷うこと、人と付き合い始めること、いいなぁ~。最後のナズナの母の言葉が繋がるところや桑原君のボッチ卒業や両親・兄との関係が上手く行きそうなところ。みんながそれぞれに落ち着くのがいい。予定調和でも、これがベスト。出産に歌を届けるシーンが印象的。心軽やかになれる1冊。2014/05/11

射手座の天使あきちゃん

828
五島列島の中学校に代理教員として赴任した美人先生と合唱部の生徒たちがコンクール出場を目指して触れ合いながら成長していく物語です。 超人的な才能を持つ人も、奇跡のような逆転劇も、ラブラブなシーンも登場しませんが、白砂に打ち寄せる波のように心に沁みてくるお話でした。 最後に発達障害の兄に、みんながコーラスを重ねるシーンで涙腺決壊でした、トレビア~ン!! (^_^)v2013/02/03

ヒロ@いつも心に太陽を!

799
《苦しんでいる人 悩んでいる人には こう励ましてやろう 勇気を失うな 唇に歌を持て 心に太陽を持て》中学時代、本を読むのと同じくらい歌を歌うのが好きだった。合唱には、確かに皆の心が通い合ったと感じる瞬間があること、私も知ってる。合唱コンクールに向けて練習を重ねた音楽室のあの空気を思い出す。中学生たちの五島の方言でのやりとりは微笑ましく、青空に映える白い雲が目に浮かび、まるでナズナたちの歌声が耳に聞こえてくるよう。15の自分を思い出してちょっと甘酸っぱい気持ちを感じつつ、ラストには心がじわりと熱くなった。2013/03/09

kishikan

793
抜けるような青空に浮かぶ真白な雲、五島列島を舞台にした青春小説です。プロローグは15年後の自分に宛てた手紙。そして、わけありの家族を持つ私と僕二人の視点で話が進みます。中学生合唱コンクールを目指した部活の話なのですが、家族、友人、男女関係の複雑さを純な心の子ども達が辿る大人への自立という課題も織り込み、とても深い、でも溶け込みやすい話に仕上げています。ラストのコンクールまでの盛り上がり、そして課題曲を歌う中で追想する(僕が書いた)15年後の自分への手紙は、泣けます。読了後は再びプロローグを!感動再度です。2012/04/05

もりのくまお

740
サトルとナズナの同時視点で秀逸に描かれていると思います。サトルの男性パートとナズナの女性パート、最初は互いにいがみ合い不協和音を奏でていますが、ケイスケとコトミの2人を介して、最後は見事なシンフォニーを奏でていると思います。本番でのケイスケの機転が諫早の会場から遠く五島列島まで歌が広がる、そんなイメージが沸くようでした。アンジェラ・アキの「手紙」一番しか歌詞を知りませんでしたが、2番以降の歌詞が良いです。今、私は30代ですが、15の自分に何と手紙を書けるだろう?中学時代の朝夕の合唱の時間を思い出しました。2013/05/08

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