圏外へ

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  • サイズ B6判/ページ数 509p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093862547
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

主人公の「カタリテ」=小説家が書き出しで行き詰まるうちに、自作の登場人物たちが勝手に語り始めたり、作者自らが作品の中に入り込んでいく、小説を書き続けることの喜び・苦しみを正面から描ききった意欲作。

内容説明

大変だ。「カタリテ」と名乗る小説家は、書き出しで行き詰まる。やがて、物語は自在に動き出す。「カタリテ」の手を遠く離れて―。南新宿路地裏の「亀裂」に注意せよ。小説家の頭のなかを旅する魔術的長編小説。

著者等紹介

吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作と装幀の仕事を続けてきた。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

19
吉田篤弘ワールド全開の作品。カタリテが語るはずの物語が勝手に一人歩きし始め、カタリテも読者もこの物語の中を迷い進む。そしていつしか目的地は圏外へ。どんどんどんどん不可思議な世界に迷い込み、物語の中の現実と物語と夢が渾然一体となって襲いかかってくる。そのなかに上手く溶け込めれば良かったのだろうが、うまく溶け込めず、ぽつんと1人取り残されてしまった。10代の自分だったら楽しめたであろう一冊。★★★☆☆2023/10/11

あつひめ

16
一つずつ扉を開いては閉め開いては閉め・・・を繰り返しながら一つの形を作り出しているような気がした。自分がどこか知らない場所で知らない言葉を語られているような不思議な錯覚。でもいやな不思議さじゃなく心地よい不思議な錯覚。2010/04/16

かりあ

15
【図書】なかなか潔く意味を理解することができなく、そのうえにページ数は500。それなのに読めるのは、やはり吉田篤弘ワールドがちりばめられているがゆえ。これは小説を書くという行為を、まるで不思議の国のアリスのように突き詰めていくといった話。ちょっと難解。でも途中途中で、うっすら納得。それと同時に、吉田さんがいかに言葉に対して丁寧に向かい合っているかを垣間見た気がする。2010/09/14

あんこ

12
ようやく読み終わりました。長い、なんといっても長い。物語を内と外から見たり、人称の問題などにおいては[百鼠]を、物語に出たり入ったりという点においては[モナ・リザの背中]を思い出しました。全体的に、最後に至るまで、どこが終着なのか分からなくなるくらいに振り回されました。目次だけでも絵本になりそうなタイトルの数々。文庫も発売されたら買って、もう一度読んで理解したい。2013/05/03

eritoku

8
もーのーすーごーく手こずったけど、なんとか読み終えた!変な達成感で一杯(笑)。モノガタリの内と外を行ったり来たりしながら、カタリテである作家が物語を生み出す過程を疑似体験させてもらえる、またとない体験。読者としてはついていくのに必死だけど、自分の芯の芯の芯までもぐりこんで紡いだ物語が、終わるときにはカタリテ一人だけが取り残されて置いていかれてしまう切なさみたいなのが伝わったような気がして切ないワタシなのだ。エジンンバラ先生が結構好きなワタシなのだ。2013/09/11

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