出版社内容情報
判型:4-6
引きこもりの文也、アル中の母、不良の妹に加え、父は家出中。そこに父親の借金の返済を求め、ヤクザの岩田が家に居座るようになる。岩田の勝手な振る舞いに従ううちに、文也、母、妹はまともに戻っていく。
内容説明
「崩壊家族」を立ち直らせたのはヤクザだった!小説は事実よりも奇なり。ヴァイオレンスがスピリチュアルを駆逐する。第九回小学館文庫小説賞優秀賞受賞の、異色なアンビバレント家族小説。
著者等紹介
藤井建司[フジイケンジ]
1965年、奈良県生まれ。週刊誌などでライター活動をする一方、小説を執筆。『ある意味、ホームレスみたいなものですが、なにか?』で第九回小学館文庫小説賞の優秀賞受賞。同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
102
世の中ではダメダメと言われる者たちの家庭が崩壊する。崩壊するには理由がある。それは自分の事しかみな考えないからだ。そんな家庭に波紋が起こる。父の投げた石がジワジワと静かに、でも大きな波紋となって家族に広がっていく。家族ってオオカミの群れのように親分が居て仲間を引っ張っていくようなリーダーシップも必要なのかも。それが、今回はヤクザ。ところどころありえない部分はあるけれど、人の心の根っこにあるものは見えた気がする。この物語は、ほんのさわりの部分かもしれない。この家族にはまだまだ長い人生が続いているのだから。2013/04/04
choco
33
図書館本。息子は引きこもり。母親アル中。娘不良彼氏と夜な夜なデート。父親借金作り行方不明。と、まぁ典型的バラバラ家族の中にヤクザがやってくる。実際にはありえないだろう話だが、人間誰しも幸せを求めている深い心を覗いた気分。父親の真相にはびっくりでした。2015/05/06
GIN@本棚大洪水中
6
図書館でたまたま手にとって読了。 最後の展開が途中から悪い意味で予想できてしまった。実際にはこうはいかないだろうと思いながらも最後が気になって読んでしまったが、もう一ひねりほしかった2012/04/18
朱音
5
続編を先に読んでしまったが問題なし。やはり「古き日本のオヤジ像」と言う感じでたとえて言うなら芸のない春団治、野球をしない星一徹かな?ヤクザで酔っ払いだし、女性蔑視だし腕力こそ力、という感じだし、実在したら逃げ出したくなる人物なのだがなぜか不思議な魅力がある。2009/12/24
うさっち
4
引きこもりの主人公、アル中の母、ヤンキーの妹、父は仕事とバラバラな「崩壊家族」の元に借金の返済を求めヤクザが来て、はじめて父親が失踪していることを知る。ヤクザが家に居座るようになり暴力の恐怖から「ひきこもり」もしてられなくなり…。ヤクザの荒療治で家族が立ち直っていく姿が面白く、とても読みやすい本でした。2012/06/23