出版社内容情報
今最注目の野間文芸新人賞作家最新恋愛小説
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだったのだ。4年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げた。彼女は、1年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。愛犬→バイク修理→プロポーズ――。幸せの連続線」はこのままどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていた。精緻にしてキュート、清冽で伸びやか。今、最注目の野間文芸新人賞作家が放つ恋愛長編。
内容説明
交際3年。求婚済み。年の差なし。ここが世界の頂点だと思っていた。こんな生活がずっと続くんだと思っていた―。精緻にしてキュート。清冽で伸びやか。いま最注目、野間文芸新人賞作家が放つ恋愛長編。
著者等紹介
中村航[ナカムラコウ]
69年、岐阜県生まれ。02年『リレキショ』(河出書房新社刊)で文藝賞受賞。『夏休み』(河出書房新社刊)が芥川賞候補に。『ぐるぐるまわるすべり台』(文藝春秋刊)で野間文芸新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
209
本屋で見かけた本の帯に「心が震えるような体験を味わえる。読後いつまでも胸に残るものがあるものだ」という一文に惹かれ、購入した。物語は病に冒された彼女と僕の物語。奇をてらうことなく、まっすぐに書かれた文章である。一歩引くのではなく、男女のカップルで一緒に 旅するような小説である。2010/10/31
紫 綺
138
文庫にて読了。最初の死んで鉄の塊になっていたバイクを復活させていくシーンが好き。少しずつ少しずつ、生を取り戻していくかのようで・・・。2015/06/21
takaC
109
予備知識なしで読み始めたけど、p68の"挿話"で先の展開の予測がついてしまったので、以降は身構えてビクビクしながら読んだ。R.I.P. 佳美さん2012/11/20
yu
88
ベタなお話に弱い単細胞なので、涙ポロリ。 しかも、どちらかというとブックの死の方に。 最近、大倉君が番宣頑張ってますなぁ。ちょっと映画は原作と違う所があるようですが。 ありきたりなお話で、お涙頂戴が苦手な方には向かないかも。単純バカで良かった(笑)。 Kindleにてあっという間に読了。 2013/06/24
choco
69
命あるものは必ずなくなる。 頭では分かっていてもなかなか受け入れられないのが現実。 このG.Wだけで3人の死を見てきた私にはタイムリーな物語。 残された家族の辛さが現実的。2017/05/07