出版社内容情報
武家の子に生まれ15歳で渡米、鉄道技術を身につけて帰国し実業で大成功を収めるが、稼ぎを野球、スケート、釣、画業、袋物収集、邦楽などで蕩尽し「平岡大尽」とよばれ人々から愛された平岡熈(安政3?昭和8)の伝記。
武家の子に生まれながらその枠に収まりきれず15歳で渡米、「黒い怪物」蒸気機関車に魅せられ、鉄道機関車の車両製造技術を学び帰国、鉄道工業の先駆者として名をはせ、実業で得た巨利を遊芸、道楽に散じ、平岡大尽とよばれた畸人、平岡熈(安政3?昭和8)の生涯を描く伝記である。野球はもとより、スケート、クラリネット、リール釣、袋物コレクションと趣味を広く持ち、茶屋遊びで鍛えた邦楽の才能も一派を興すほど極め、道楽でも大きな世界を築いた。変化の激しい時代を生き延びつつ、一人の人間として尽きせぬ人生への興味を追い続け、一生を楽しみ尽くした平岡の意気と行動は、閉塞した現代人に元気を与えてくれる。
内容説明
遊びつくせば人生ストライク!道楽大尽の悠々たる人生。野球殿堂入り第1号、ローラースケート初滑り、邦楽家元、リール釣第1号、日本画・ポンチ絵作者、江戸物コレクター、そして鉄道王…江戸・明治・大正・昭和、4つの時代を生きた最後の江戸人の伝記物語。
目次
第1章 横浜の六月
第2章 鉄道王国アメリカ
第3章 工員ハイローシ・ハイローカ
第4章 陸蒸気とベースボール
第5章 日本野球の幼年時代
第6章 野球の神様
第7章 若き実業家たちの時代
第8章 公・私を分かつことなかれ
第9章 御大尽の遊びっぷり
第10章 グッド・バイ
著者等紹介
酒井堅次[サカイケンジ]
1928年、東京都生まれ。東北大学文学部卒業後、読売新聞入社。編集局地方部、文化部、解説部などを経て出版局図書編集部長、週刊読売編集部長を歴任。定年退職後はフリーに。ハーマン・カーン『日本未来論』、武田英克『満州脱出』、宍戸幸輔『広島軍司令部壊滅』他の編集、執筆などを手がける
鈴木康允[スズキヤスマサ]
1940年、千葉県生まれ。祖父鈴木仙太郎が平岡〓の起業した錦糸堀工場で会計課長を務め、野球に親しみ同チームの監督にまでなった話を聞き知ったことが縁で平岡の事跡を調べ始める。あわせて近現代史から消えた畸人を「発掘」する「人物考古学」を提唱し、現在、東京オリンピック1万メートル決勝で最下位となったカルナナンダ選手を次なるテーマとして発掘中
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感想・レビュー
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- 和書
- 1点100円の間柄