出版社内容情報
命を捨てるほどの「大義」など、ほんとうにあるのだろうか。「1つの国」になるため、日本と似ていなくもない混乱の歴史を経たドイツ400年の、人々の記憶から消された、8人の浮かばれない人々の生き方、死にざま。
田舎将軍、傭兵隊長、官僚、錬金術師、芸術家……さまざまな人々が、何百にも分裂していたドイツの国家統一という「大義」に与した。しかし、彼らの無邪気な「正義」「忠誠」「純粋」はさんざんに君主や民衆に利用され、挙げ句、蠅でも叩き潰すように歴史から捨てられてしまった。本書はそんな8人の浮かばれない魂の墓碑銘である。日本の「天下統一」と同じような経過を経た、ドイツ400年の建国の歴史から消された彼らの姿は、「忠孝」のために自ら命を捧げることを美徳とした日本の「陰険な忠誠心」(司馬遼太郎)と響き合うものがある。こうした滑稽で悲惨な死にざまを通覧することで、世界に命を捨てるほどの「大義」などないことを伝えたい。
内容説明
田舎将軍、傭兵隊長、官僚、錬金術師、芸術家…様々な人々が、何百にも分裂していたドイツの「国家統一」という「大義」に与した。しかし彼らの純粋、無邪気な正義と忠誠はさんざんに君主や民衆に利用され、あげく蠅でも叩き潰すように歴史から捨てられてしまった。本書はそんな浮かばれない有名、無名の八人の生き方、死にざまを描く歴史物語である。
目次
第1章 黒幕に操られ見捨てられたお人好しな太鼓叩きの物語
第2章 一本気と無邪気さで首を落した叩き上げ傭兵隊長の物語
第3章 暴君と民衆の生贄にされた哀しい官僚の物語
第4章 愛と忠誠を捧げ尽くした「死ぬ者貧乏」将軍の物語
第5章 理想を妄信して現実に殺された純真な老将の物語
第6章 半端な才能のおかげで終生籠の鳥となった錬金術師の物語
第7章 愛郷と忠誠を負わされ潰された善良な田舎将軍の物語
第8章 悪口と酷評に縊死させられた生真面目な芸術家の物語
感想・レビュー
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