出版社内容情報
井沢 元彦[イザワ モトヒコ]
著・文・その他
内容説明
「誇り高き」大英帝国はなぜ日本をパートナーに選んだのか?歴史ノンフィクションの決定版!!
目次
第1章 明治の文化大変革1・日本語改造計画の悲喜劇―闇に葬られた「日本語廃止計画」(西洋近代化の流れの中で生まれた小説における「言文一致」運動;簡略化と効率化が「自然」に進んだ分野とは? ほか)
第2章 明治の文化大変革2・演劇そして芸術一般の変革―演劇改良運動と「女優」の復活(世界の演劇史でも稀な「女形」という奇蹟;文豪森〓外も激しく反発した「演劇改良運動」 ほか)
第3章 日露戦争への道1・ロシア帝国の横暴と満洲―日英同盟に狂喜乱舞した日本国民(「泥棒に弟子入り」せざるを得なかった大日本帝国の葛藤;「火事場泥棒」のように清国の一部を奪い取ったロシアの横暴 ほか)
第4章 特別編・『逆説の日本史』は“評論の必要は無い”。井沢元彦は“推理小説家に戻る”べきか?(宗教の本質がまったくわかっていない「呉座反論」;日本の国家形成期から存在していた「話し合い絶対主義」 ほか)
著者等紹介
井沢元彦[イザワモトヒコ]
作家。1954年2月、愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業。TBS報道局記者時代の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。現在は執筆活動に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ren5000
42
ずっと読んでるけどやっぱり古代から戦国時代ぐらいまでが一番面白かったなと感じた。今回は日露戦争開戦前までで、段々と現代に近づいきてるのだけど当時の日本人と今の日本人の考えかたが圧倒的に違う。この頃の国民は日本の行く末を考えていたのに今は…。ここに出てくる黄禍論というのも知らなかったけど欧州や米国でのコロナウィルスでのアジア人蔑視は根底にこういう思想が今も今も生きてるんじゃないかなと思う。2020/10/29
シュラフ
20
「帰国後の伊沢は国民がすべて通うとを義務づけられた小学校教育のために、西洋音階による新しい日本語の歌を作り歌わせ、西洋音楽の基礎を体得させると同時に「新しい国語」も身につけさせようと考えたのである。そこで小學唱歌が多数作られ・・・」小学校時代の音楽に習った文部省唱歌なども明治時代に遡るものだったとはじめて知った。明治国家の国づくりは軍事面だけではなく、日本語・教育・芸能まで幅広く行われ、いまでも我々の身近にその名残りがある。あらためて明治維新というものが現代日本の礎を築いた大改革であったのだと再認識。 2021/09/11
誰かのプリン
20
ロシア帝国 皇太子ニコライ二世の日本訪問時に起きた大津事件が、後に引き起こされた日露戦争の遠因にもなった大津事件に興味が湧きました。他の作者の本も覗いてみようと思う。2020/08/25
RASCAL
19
1巻から全部読んでいるファンだが、今回のはがっかり。サブタイに「日英同盟と黄禍論の謎」とあるも、音楽と演劇の文化の話が3/4ほど。日英同盟も怨霊信仰とか資料至上主義とかをたとえ話でくどくど説明したり、批判にかみつくお約束の部分が多くて、肝心の黄禍論は数ページ程度。週刊ポストの連載なら良いけど、単行本にするときは、過去との重複部分を削除するなり、もう少し工夫してくれても良いのでは。芸能関係の話は、知らないことも多くて、ためになりましたケド。2020/08/06
楽
18
20年7月初版■39頁「人間がきわめて不合理な判断をする最大にしてほぼ唯一の原因は宗教だ」、いまの日本を見ると「利権」に変えた方がいいかも■6年間英語の公教育を受けても英会話ができない不思議は明治以来の読み書き重視の方針にある■日英同盟で英は日本を「対等な」パートナーとして選んだのだろうか■今回もあちこちに噛みついているが、「俗流歴史本」として安土宗論や古代の遷都にかかる井沢説を批判した『応仁の乱』の呉座勇一に対しては特別編までもうけている。議論の中身が噛み合わず揚げ足取りになっているのはもったいない2020/08/01