なぜ競馬学校には「茶道教室」があるのか―勝利は綺麗なお辞儀から

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093798570
  • NDC分類 791
  • Cコード C0095

出版社内容情報

一流騎手を育てた「勝利の作法」

競馬学校に「茶道」の授業があることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。
著者の原千代江さんは、第一期から現在まで、33年にわたり競馬学校で茶道を教えてきました。

15歳で自らの将来を決めた若者たちに必要なのは、お茶の技術ではなく、お茶の心――礼儀作法や美しい所作。それはすなわち、いまや失われつつある日本人が本来持っていた心です。

嘘をつかない。卑怯なことはしない。
季節を愛で、自分の内面と向き合い、本物を知ることで本物に近づく――。
一流の騎手になる前に、おもてなしの心を持った、潔く、責任ある行動のとれる大人になってほしい。
そう考え、生徒たちと接してきた原さんの授業は、今もなお卒業生たちから厚い信頼を得ています。

「心とどう向き合うか」「無駄のない動きをどう身につけるか」など、現代社会を生き抜くヒントとともに、武豊、柴田善臣、横山典弘など一線で活躍するジョッキーたちのエピソードも満載の一冊です。

はじめに

第一章 一期一会 ?私が授業で伝えたいこと?
お菓子の食べ方だけ教えてほしい/十五歳で自分の将来を決めた子どもたち/着物へのこだわり/和菓子職人の心を知る/花を見て四季を感じる/「無事是人馬」/ジャージから制服へ/正しい正座/「お辞儀が綺麗」は最高の褒め言葉/居眠りする生徒がいない

第二章 生きてこそ ?「おばけ」と言われた過去?
いつでも一対一/お茶との出逢い――帛紗と生菓子/人生の転機/死にたい/薬剤師を目指して/閉ざされた道/免許返上/ただひとり、私の過去を知る教え子/四十年ぶりの再会/典ちゃんとの約束/お茶は自分の心と向き合う場所

第三章 意外な共通点 ?無駄の無い動きが美しい?
年に一度のお茶会/お嫁さんを貰うなら……/川崎大師の茶会/ボロボロの卒業式/お茶と騎手は相通ずる/失われた命の輝き……玉ノ井健志/失われた命の輝き……岡潤一郎/僕が勝つまで死なないでね/初めての競馬場

第四章 自慢の教え子たち ?忘れることのない時間?
衣ずれの音から十秒で/駅でこちらを見ていた男性の正体/ゴミ箱に捨てられたお菓子/生放送の収録後/二日酔いの一期生/現役生を驚かせた見事な点前/やっと飲めた苦いお茶/どう見ても私のお辞儀だけど……/競馬学校に女の子/怪我を押してのお茶会亭主/教え子たちのムチ

おわりに

競馬学校卒業生・在校生名簿


原 千代江[ハラ チヨエ]
著・文・その他

目次

第1章 一期一会―私が授業で伝えたいこと(お菓子の食べ方だけ教えてほしい;十五歳で自分の将来を決めた子どもたち ほか)
第2章 生きてこそ―「おばけ」と言われた過去(いつでも一対一/お茶との出逢い―帛紗と生菓子;人生の転機 ほか)
第3章 意外な共通点―無駄のない動きが美しい(年に一度のお茶会;お嫁さんを貰うなら… ほか)
第4章 自慢の教え子たち―忘れることのない時間(衣ずれの音から十秒で;駅でこちらを見ていた男性の正体 ほか)

著者等紹介

原千代江[ハラチヨエ]
茶名・原宗江(はらそうこう)。1947年(昭和22年)新潟生まれ。裏千家茶道の教授。1982年より、この年設立されたJRA競馬学校にて茶道を教える。2011年勤続30年の表彰を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mazda

25
茶道、華道、柔道、剣道…、日本発祥のものの多くには「道」があります。茶道も、言ってみればお茶をたてて飲むだけですが、客人をもてなす心、無駄なものをそぎ落とし質素に、というわびさびの精神、そういったものを学ぶことが重要なのかも知れません。原さんは若いころに大けがをなさっており、ジョッキーが落馬してケガをしたりすることをとても気になさっていたようです。競馬の世界で生きるということは常に危険と隣り合わせであり、そんな世界に15歳で飛び込んできた若者に茶道を教えることは、とてもやりがいがあることだろうと思います。2015/05/02

MOKIZAN

15
著者は生徒の年齢に重きを置かず、個個の人として相応えてきている。これから大海に挑む生徒達は、師の人柄と併せて、内で抱えていたであろう不安、怯えを自身で鎮める術として、自ずと受け入れていったのかな。商業用カバーに隠された、本表紙の表情から、著者の気の清々しさと、実はしっかりした意志を示されるであろうお方と感じた。見た目に美しいお点前で淹れられた一杯は、きっと相手の心を穏やか、素直にしてきたのだろう。お茶の「道」もほんに良いものだと感じた。振り返って酒飲みには、道楽以外に歩める「道」は無いものかとも考えた。2015/11/18

じゅんじゅん

3
何気に図書館で見つけて読んでみたけど、素晴らしかった❗ 一期一会、無事是名馬ではなく無事是人馬❗ 毎週、競馬見てますが、これからは騎手のお辞儀や立ち振舞いにも注目します。 こんな先生にあたしもなりたい❗ 良い本でした。⬅買おうかな(^^)2017/08/10

私的読書メモ3328

2
騎手・武豊氏の著書で競馬学校に茶道の授業があることを知り、驚いたところにちょうど見つけた本。すかさず手に取りました。タイトルの吸引力が強烈ですが、内容もとても面白かったです。最初に茶道を設けようと著者に依頼した先生の親心にまず感動しました。様々な「道」というものが否定的に見られがちな昨今かと思いますが、そこに秘められた価値を伝えるという店でも良い本だと思います。今では有名な騎手たちの、著者から見た姿も面白かったです。2018/10/09

修一

2
先生が素敵すぎます。2014/05/19

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