復興の書店

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  • サイズ B6判/ページ数 199p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093798341
  • NDC分類 024.12
  • Cコード C0095

出版社内容情報

本は「生活必需品」だった

震災は、ただでさえ「街の本屋」が消えつつあった東北地方の書店関係者を悲観させた。岩手、宮城、福島の3県で被災した書店は391店。3県の書店数の約9割にあたる。
そんななか、仙台の一部の書店がいち早く営業を再開させたのは3月22日。流通が止まり、商品は震災以前のもの。だが、そこで目にしたのは驚くべき光景だったという。開店前から長蛇の列が連なり、パズル誌、中古車情報誌、お礼状の書き方の本・・・・・・あらゆるジャンルの本が買い求められていた。
それは何も仙台の書店に限った風景ではなかった。苦難をのり超えて、開店した多くの店舗で、活字に飢えているとしか言いようのない人々の姿が目撃されている。本はただの「情報」ではない。人々にとって「生活必需品」だった、と書店員たちは実感した。
あれから一年。大宅賞作家・稲泉連氏が、被災地における書店の「歩み」を記録することで、ネット注文や電子書籍が一般化しつつある昨今の出版界における、紙の書籍の「尊さ」を再発見していく。

稲泉 連[イナイズミ レン]
著・文・その他

目次

1章 本は「生活必需品」だった
2章 福島に灯りをともす
3章 移動書店の人々
4章 ジュンク堂の「阪神」と「東北」
5章 飯舘村に「本のある風景」を
6章 復興の書店

著者等紹介

稲泉連[イナイズミレン]
ノンフィクション作家。1979年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒。05年『ぼくもいくさに征くのだけれど竹内浩三の詩と死』(中央公論新社)で大宅賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

170
う〜ん、何故かはわかりませんが正直自分が受ける(思う、感じる)であろうインパクトが若干抑えめ?でした。あまりにも紛れもない事実が淡々と綴られているので、逆に文章としては平坦に感じてしまい、本当はもっと胸に、ココロにグッとくるべきトコがなんとなく流されてしまっているのかなと。『書店』にかかわる人々の苦労や前向きな姿勢などはもちろん十分に伝わるのですが、やはり当事者ではない自分が読むと、どこか他人事感があり、そんな自分に憤りを感じながらの読了です。本文だけでは伝わらない、もっともっと深いモノがあると思います。2017/03/04

kaizen@名古屋de朝活読書会

133
名古屋de朝活読書会で紹介があった本。「子供たちに教科書だけは届けなければならない」p48「お客さんとじかに触れることで、本の読者というものを直接支えているのが僕たちなんだ」p125。本屋さんの視点で被災、復興の過程がわかる。いろいろな立場の人が、いろいろ支え合って社会が成立していることがわかる。本好きにとって、著者、出版社、図書館、書店、古書店は王道。取り次ぎの協力により本が流通していく様がわかった。p186「日本語小説集」が見当たらず。2013/09/24

文庫フリーク@灯れ松明の火

104
【感想その1】図書館が好きだ。ブックオフなら一日中でも居られる。PCで電子書籍含めた新刊のラインナップを見るのも楽しい。だけど、小さくとも新刊書店に陳列された雑誌・書籍たち。書店員さんの工夫を凝らした陳列・手書きのPOP。本が好きな方はもちろん、現役書店員の方にはぜひおすすめしたい一冊。淡々とした文章なのに、一冊を通してまぶたは熱く、時に零れる涙が止められない。「私は、偉大で崇高な仕事をやりたいと願う。しかし、私が主にやることは、細かな仕事をまるで偉大で、崇高な仕事のように行うことである。世界は、→2013/12/12

ゆみねこ

88
あの日の混乱のあと、住むところも食べるものにも不自由な中、本屋さんの営業を心待ちにした被災者たち。この本に語られた事実はたんたんと述べられているのですが、じんわりと感動を覚えました。1冊のジャンプの話、泣けました。2017/03/30

ケイ

79
『人はパンのみにて生きるにあらず』津波で被害を受けた福島から岩手の沿岸地方の書店の復興。店自体が流される、流されずとも本が水に浸かる、放射能による避難指示。生きることも必死の状況で、何とか再開させようとする店主達。新学年に合わせて教科書だけでもと必死で揃える書店。本を配送してもらえないので自ら本を取りに行く店主。リュックを背負って食料品を買う列に並んだ人達が書店でも列を作る。阪神大震災後の状況からすぐに店を開始させたジュンク堂の経験。山形で買ったジャンプを本屋に置いていった人。人は強いと思った。2014/01/24

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