出版社内容情報
あなたはいま、子どもたちにどんな「希望」を語れますか?
亡き妻の”ふるさと”──そこには彼女と仲の良かった友達がいて、彼女のことを好きだった男がいて、彼女が初めて恋をした人がいた・・・。ニュータウン・希望ヶ丘に引っ越してきた父と子のかけがえのない日常を描く感動巨編。
内容説明
いじめ、学級崩壊、モンスター・ペアレント、家族の死…。70年代初めに開発された街・希望ヶ丘…そこは、2年前にガンで逝った妻のふるさとだった…。亡き妻の思い出のニュータウンに暮らす父子を描く感動長編。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963年、岡山県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て執筆活動に入る。99年に『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001年に『ビタミンF』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ウッディ
113
亡き妻のふるさとである希望ヶ丘の団地に引っ越してきた 田島と二人の子供、それは、脱サラして進学塾への転職を決めた田島の再出発であった。昭和チックで、家族の温もりを描く重松さんらしい感動ストーリーで、わかっていながらもジーンとする場面の数々で、あっという間に読み終えました。それに花を添えた破天荒キャラのエーちゃんが格好良かったです。2009/07/16
にいにい
78
ちょっと長い作品だけど、長さを感じさせない重松清さん。こういう作品好きだな~!!田島も子供たち(美嘉、亮太)も瑞雲先生もチヨさんもショボもエーちゃんもマリアもフーセン夫婦もチクリ家族も野々宮先生も吉田先生さえも、キャラがそれぞれ魅力的。何と言っても、エーちゃんは半端ない。学校や家庭のいろんなことが、同級生、先輩・後輩、先生・生徒の繋がり、葛藤を経て、希望に、、、屋上の開放と残された言葉。どんなに絶望的に見えても、きっと!エーちゃんの魅力とそれを受け入れられる周り。「希望」って何か。少し、見いだせる作品。2016/05/26
pdango
64
★★★★☆舞台は1970年代初めに開発されたニュータウン、希望ヶ丘。真ん中で交差するのは希望通りとふれあい通りで、外枠の環状道路は平和通り、というベタなネーミングのこの街は、ダメになっていく子には冷たい街だと。あたりまえやふつうからはみ出しても受け入れる、受け入れられる社会とは、みたいなことを考えさせられました2018/10/05
ユザキ部長
56
素晴らしい本でした。こんなに分厚い本なのに一気読み。奥さんを亡くし残された家族が新たな旅立つ話しです。途中田島さん(主人)は何度も何度も奥さんを亡くした告白をするチャンスがあるのにも関わらず話す事が出来ない。歯痒い思いとともに愛情の深さに感動しました。途中出てくるエイちゃんのキャラの強さは最強ですね!泣いた?ご想像にお任せ!そこんとこよろしく!!2013/05/02
達ちゃん
45
主人公が同年代ということもあってか、すごく感情移入して一気読み。笑いあり涙ありで、重松節、重松ワールドを十分堪能させてもらいました。さわやかな読後感です。2016/07/29