出版社内容情報
周囲の反対を押し切って、脱サラして居酒屋の亭主に…。挫けそうな日々を支えてくれたのは? 表題作ほか、著者独特の語り口の、心温まる短編小説6編を収録。
脱サラして居酒屋の主人になる…、秘かに決意した恵一は、5時からのつきあいもやめて調理師学校に通い始めた。そして途中退社を宣言した恵一に対し、転職と勘ちがいした同僚の眼は冷たく、まして結婚を約束した加奈子までもが冷たい視線を送るのだった。居酒屋修行は屋台からとの助言から、初めて引いた屋台の重いこと、重いこと。大混乱で落ち込む営業初日に、その重い屋台を後ろで押してくれたのは…。 愛と信頼を基調に、市井の人びとを書き続けた内海隆一郎氏の諸作品は小品ながら読む人の心を熱く打ち続けてきました。忘れていた大切なものを探し続ける旅を案内してくれるといっても過言ではありません。 著者の内海隆一郎氏は編集者を経て文筆業に転じた作家ですが、温かな眼で人びとを観察するその作風は「市井小説の達人」と呼ばれています。導入部から読者の心を離しません。今回は、表題作のほか「その日まで」「二人の噂」「湯けむり」「人びとの捜話シリーズ」を収録しています。何かと気ぜわしいこんな時代だからこそおすすめする、入魂の一冊です。
内容説明
忘れていた大切なことを探し続ける旅のはじまり…。愛と信頼があなたの心を揺さぶる短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テキィ
5
歴史小説と思ったら違った。一話目がいまいちだったけど、二話目で不覚にも涙。職人話はツボかも。2010/10/09
ゆ
0
短編。居酒屋、塗師。短編より短い形態の話もあり。2017/05/30
次元大吉
0
誰にでもある小さな不満や小さな幸せが綴ららた短編集。どの物語も、最後は小さな幸せの方で結ばれているので読んでてホッとします。2015/01/07
中身はおじさん
0
短編+掌編小説集。1作目の「居酒屋志願」と、次の「その日まで」が良かった。こうはん、年齢が上がってくると、ちと、しんどい。ひっそり暮らせる老後の、うらやましきよ2020/10/07