出版社内容情報
高知の漁船は、一攫千金の夢を追って世界の海を駆けめぐる。3度の航海を体験した著者が、マグロ漁の厳しさと、死の危険や孤独と直面しながら豪快さや優しさを忘れない男たちの姿を躍動感あふれる筆致で描いた感動作。
諸外国では、日本人による漁にあいかわらず強い反発がある。これまでは捕鯨がその標的だったが、次はマグロ漁が狙われている。アメリカをはじめとする国々は自国周辺の海から日本の漁船を締め出そうとしているが、日本人の食への欲求は相変わらず高く、高級魚へのニーズは高まるばかりだ。そんな中、これまで明らかにされることがなかったマグロ漁の実情を知ることができるのが本作。死と隣り合わせの危険、1年以上もの間家族と離れて暮らさなければならない寂しさ、さらには前述したような「圧力」もある??現場にいたからこそ実感できたさまざまな苦境を、迫力ある筆致で描ききった第7回小学館ノンフィクション大賞受賞作。
内容説明
高知の漁船は、一攫千金の夢を追って世界の海を駆けめぐる。マグロ漁の厳しさと、死の危険や孤独と直面しながら豪快さや優しさを忘れない男たちの姿を、3度の航海を体験した著者が、躍動感あふれる筆致で描いた感動作。第七回小学館ノンフィクション大賞受賞。
目次
第1章 新漁場へ
第2章 初航海
第3章 転落事故
第4章 補給・転載
第5章 赤道アンゴラ沖
第6章 別離
第7章 疲労困憊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wearnotequal
3
これぞ世界を股にかけた男の仕事。海上生活、食事、延縄、事故や陸での豪快な遊び。時として他国間交渉に翻弄される。現代では道具は進化、船員は外国人が多数を占めたとしても実務には強靭な肉体、精神が欠かせない。2016/04/25
つちのこ
2
一攫千金の夢を追って、一度航海に出たら2年、3年と帰れない土佐のまぐろ船。転落や怪我といった死と背中合わせの作業や、寄港地での息抜きを通して、赤裸々に描き出す沖に生きる男たちの最小限の喜怒哀楽が悲しい。会うことがかなわぬ家族の写真や、子供たちの作文、生まれた子供を抱いてやることすらできないもどかしさが、地に足がつけない息が詰まるような狭い空間の中で塩水でグローブのように手を腫らした男たちの姿とだぶって、読み手の心を打つ。まぐろの刺し身、この一切れに命を賭けた男たちの物語が詰まっている。(2001.3記)2001/03/11
竜
1
30年前のマグロ漁を描いた本。一歩間違えば命にかかわるだけに男同士の友情といった甘い世界では無く、殺気立った空気感がリアル。 でも、海の男ってやっぱ格好いい。2013/03/24
十六夜亭
1
マグロ漁船で働く人たちへの尊敬と愛情を感じさせる。2009/05/21
コウヘイ
0
普段何気なく食べているマグロを釣ってくる漁師の人がどのような苦労をしているか、また、水産資源についてかなり前から問題になっていたのには驚いた、今水産資源についてどのようになっているか知りたいと思った。2017/03/16
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