イスタンブル、イスタンブル

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イスタンブル、イスタンブル

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  • サイズ 46判/ページ数 306p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093567398
  • NDC分類 929.573
  • Cコード C0097

出版社内容情報

美しき街への痛切な愛を謳う傑作トルコ文学

イスタンブルの地下牢獄の一室に、学生のデミルタイ、温厚なドクター、気難しい床屋のカモが閉じ込められていた。苛烈な拷問を待つあいだ、彼らは互いに物語をして時を過ごす。そこに激しい拷問を受けたばかりの老人キュヘイランが加わる。彼は幼い頃から父が影絵で物語ってくれたイスタンブルに憧れていた。彼らはまるで疫病を避けて家に閉じこもり物語をし合った『デカメロン』のように物語り合い、空想の世界でお茶を飲み、煙草を味わう。やがて彼らの過去が少しずつ明らかになり、と同時にそれぞれがまた拷問へと連れだされていく…。
2018年EBRD(欧州復興開発銀行)文学賞受賞。東西が溶け合う美しい街と、その地下で彼らを襲う残酷な現実――クルド系トルコ人の作家がイスタンブルへの痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。




【編集担当からのおすすめ情報】
ノーベル文学賞受賞作家オルハン・パムクをはじめ、『乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺』のラティフェ・テキン、『レイラの最後の10分38秒』のエリフ・シャファクなど、世界的に評価され活躍する現代トルコ文学の作家たち。本作『イスタンブル、イスタンブル』の著者ブルハン・ソンメズは日本初紹介となりますが、本国トルコをはじめヨーロッパでも高く評価されている作家です。
クルド系トルコ人のソンメズ氏は、1980年の軍事クーデターの混乱のなかイスタンブルで法律を学び、人権弁護士として活動していましたが、その活動中に警察に襲撃されて瀕死の重傷を負い、その後英国へ亡命しています。現在はトルコと英国を行き来しながら作家活動をしていますが、その半生を経て生まれたイスタンブルの街への痛切な思いが、この小説に込められています。
一言たりとも読み逃したくないほど濃密な文章、苛烈な拷問のなかで囚人たちによって語られる物語の美しさと哀しさ。きっと特別な読書体験になることと思います。ぜひ、現代トルコ文学の底力をその目で確かめてください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

158
古今東西が集う街、美しいイスタンブール、5年前に訪れたイスタンブールが舞台の連作短編集、光と闇の対比が見事でした。 https://www.shogakukan.co.jp/books/09356739 このレビューは、飛んでイスタンブールを聴きながら書きました♪ https://www.youtube.com/watch?v=_3yRzBHUtpQ2023/11/10

buchipanda3

107
「この話を知っているか、その話は知っとったよ、あらゆる物語はイスタンブルの物語なのです」。牢獄、政治囚、物語、救い、罪多き都、美しき都。人は物語を求める。目の前の苛酷な光景から逃れるように。尊厳と慈しみを持って語り合う四人は地下の鉄の門の奥に繋げられ、繰り返される非情な拷問は地上から気付かれない。それはクルドの歴史、幾つもの都市の歴史、数多の人間の同じ歴史。破壊、支配、我執。皆が見るのは光が映す表面のみ。しかし物語は声を上げる。人は過去を棄てるが、過去は人を棄てないと。痛みの物語はやがて真実を知らしめる。2024/02/23

天の川

57
苦しくて、少しずつしか読めなかった。イスタンブルの下の地下牢に囚われたクルド人政治犯の老人・学生・ドクター・床屋が牢から引きずり出され拷問を受ける間に話を披露する10日間。架空のお茶会や酒宴で語られる昔話や笑い話、思い出話や謎々は実に豊かだ。血まみれになりながら、互いを労わりあいながら。『デカメロン』に模しながら、イスタンブルの美と富、貧しさと闇に思いを馳せながら。今もトルコではクルド人弾圧が続く。老人が語る分身の話から「どこかにいる他者の痛みに思いを馳せる人間でありたい」との訳者の言葉を深く肝に銘じる。2024/02/12

小太郎

42
狭い地下牢に捉えられてる学生、医師、床屋、老人の4人。恐ろしい拷問の垣間に語られる想像力に満ちたその物語はまるで千夜一夜物語です。この設定は前に読んだドストエフスキーの「地下室の手記」を思い出しました。狭く劣悪な牢獄で語られる美しい物語、そして少しずつ彼らの過去が明らかになります。最近ノーベル賞受賞のオルハン・パルクを始め「レイラ最後の10分38秒」のエリク・シャファルなどトルコ文学には目を見張るものがあります。この本は国を持たない最大の民族クルド人の過酷な現状を感じさせます。★42024/07/30

マリリン

39
咲く花が自分の美しさに頓着せず、散る葉が死を覚えぬように、自分を知らないまま生きている。それは、キュヘイラン爺・床屋のカモ・学生デミルタイ・ドクターそれぞれが語る地下のイスタンブルの姿か。血と汚物と涙の匂いにまみれた過酷な環境での生活とは裏腹に、脳裏に描かれる情景は美しい。白い犬、白い舟、白い光...生と死を分かつ境界線で黄色に変わる。そして赤。トルコ国旗にない黄色が地獄・煉獄であるかのように。20世紀初頭から21世紀、人権を蹂躙されても、美を守り未来へつなごうと行動することが政治。著者の魂を感じる。2024/06/16

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