出版社内容情報
英国のノーベル賞作家による純愛小説の新訳
1932年にノーベル文学賞を受賞したイギリスの作家・ゴールズワージーによる名作中編小説の新訳。ロンドン郊外を舞台にした、名家フォーサイト家の85歳の老紳士と彼の甥の妻である28歳の女性との純愛物語。「愛には歳は関係ない。制限も死もない」―“もうひとつの『マディソン郡の橋』”といえる名作がよみがえります。
内容説明
奔放に愛を求め、恋人を失ってしまった心の傷を秘めたまま、つましく暮らしている女、28歳。老紳士は、自分に残された時間に焦燥を抱え、その人妻の美しさに身を焦がす想いをしている自分に気づく。恋は、生きていることの証。愛は、限りある生の礎―。1932年にノーベル文学賞を受賞したゴールズワージーによる傑作恋愛小説。20世紀初期のイギリスを舞台にした愛の筆致がいま、新訳で甦る。
著者等紹介
ゴールズワージー,ジョン[ゴールズワージー,ジョン][Galsworthy,John]
1867~1933。イギリスの小説家、劇作家。オックスフォード大で弁護士の資格をとるが、転じて文筆生活に。小説『財産家』で注目を浴びる。1932年ノーベル文学賞受賞
富永和子[トミナガカズコ]
東京生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みけのすずね
6
85歳の財産家ジョリオン氏が、影のある美しいアイリーンを恋い求める、フォーサイト一族の愛憎劇「財産家」の後日談。恋の生き生き感がありながらも自分を失わず選びとることは、老体をひどく疲れさせる。それでも!というあたりの意思がすごい。「85歳の男には、情熱などありえない。しかし、情熱を生みだす"美"は、誰に対しても同じように働く。美しい姿に恋い焦がれる目を、死神が閉じるまでは。」偶然手にしたのだけれど、「財産家」を読んでいなくても充分たのしめた。2014/06/27
ロピケ
3
前作からは随分登場人物が少なくなり(回想の中に登場する人物を除く)、静かな雰囲気。舞台も郊外へ移ったことで、自然の描写と老ジョリオンの穏やかな日々が重なりあう。老ジョリオンはてっきり好々爺的な人物として描かれるのかと思ったけれど、財産家としての計算高さも残っていたり、プライドが高かったり、嫉妬もしたりといろいろの感情を残したまま、人生を閉じる間際に、恋に直面することになる。アイリーンが「自分の気持ちに気付いた」丸太の部分が気になって、前作のその場面を読み返した。2010/11/01
さぼさん
1
愛には制限もない.死もない...人生の終盤を迎えた男の淡い恋心を美しく描きます.人を愛することの美しさを改めて知ることが出来ました.2010/01/13
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- 和書
- 午睡のあとプラトーンと