マイ・グランパパ、ピカソ

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093566315
  • NDC分類 723.36
  • Cコード C0098

出版社内容情報

孫娘を悲しませ続けた偉大なる画家ピカソ。

 20世紀を代表する偉大な画家ピカソ。しかしその偉大さに振り回され、人並みの愛情さえ与えられなかった孫たちがいた。本書は、ピカソの孫娘マリーナ・ピカソの手によるピカソおじいちゃんの実像である。純粋な心を持つ子ども時代、祖父に感じていた敬慕の心。しかし、それはつねに裏切られ続ける。周囲の犠牲の上に存在したピカソの画家としての栄光。幼少のころの大きな心の傷は、マリーナの身体の奥深くに遺留し、ピカソの死後、その影響から逃れるために14年間におよぶカウンセリングが必要となる。偉大な画家の孫に生まれたがゆえの悲しみが連綿とつづられ、最愛の兄が漂白剤を飲んで自殺を図る場面では思わず涙がこぼれる。

内容説明

20世紀を代表する画家ピカソ。しかし、その偉大さに振りまわされ、人並みの愛情すら与えられなかった孫たちがいた。つねに裏切られる祖父への敬慕の情。天才画家に翻弄された孫娘の悲しみ。

著者等紹介

五十嵐卓[イガラシマサル]
1961年生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒業。セゾン美術館学芸員を経てニューヨーク近代美術館、ブルックリン美術館、スミソニアン研究所で研修員となる。NY市立大学大学院博士課程を経てメトロポリタン美術館講師となる。1999年より損保ジャパン東郷青児美術館学芸員

藤原えりみ[フジハラエリミ]
1956年、山梨県生まれ。美術ジャーナリスト。東京芸術大学大学院美術研究科修士課程(美学専攻)修了。雑誌『みづゑ』編集スタッフを経て、単行本・雑誌の編集、翻訳などに携わる。武蔵野美術大学、女子美術大学非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けいご

24
ピカソ=天才と褒めそやしてしまう事を無意識に受け入れてしまっている人達へピカソの孫であるマリーナが別の一面を見せてくれる1冊★アーティストとしてだけではなく資本力としても存在が大きいくなりすぎてしまったピカソの陰で心も体も貧しく生きなくてはならなかったマリーナの悲しみが沢山詰まっていてなんとも言えないんだけど、「誰かに縋らないと生きていけない大人達のもとで生まれた子供は苦労する」のだな〜っと思いました。ピカソというよりその周りにいた大人達の生き方の問題だよね〜。2023/05/21

Koki Miyachi

17
ピカソの孫娘、マリーナ・ピカソのピカソ評伝。燦然と輝く天才芸術家ピカソのどす黒い影の部分。芸術に全てを捧げ、自分と芸術以外の全てを犠牲にした凄まじいまでのピカソの生き様。巨大な太陽ピカソの下敷きになって、貧乏を忍び、屈辱に耐えた家族達。最後まで祖父ピカソの愛を実感できなかったマリーナの恨みは深い。ただ、彼女の現在の幸せと夢は、ピカソの孫娘の立場と辛い体験があってのこと。人生の幸せが何か考えさせられる。2013/09/05

呉もよこ

6
ピカソの孫が書いた、孫から見たピカソと自分。 孫の言い分だけが書かれているので、これだけでピカソの人格を決めつけるのはナンセンスだが、ものすごいトラウマを与えた事は間違いなく、孫娘の恨みの闇は深い。 嫁、子供、孫、愛人…。 みんなピカソという怪物の人生に巻き込まれ、翻弄されてしまった人々。 ピカソの死後、著者の兄を含め、近親者が3人も自殺してしまうのも、天才の持つパワーなのだろうか? ともあれ、最後は著者がピカソからの呪縛から解き放たれ、人生を生き直してる所に少し救われる思いがした。2014/06/23

ゆずこまめ

5
ピカソがピカソ帝国の独裁者だったのはまあそうなんだろう。孫にたいして愛情を持っていなかったのもその通りなんだろう。ただ、それでもこのパブリートとマリーナが抱えていた問題は主に両親の問題だと思う。子供達ではなく偉大なるピカソのことしか考えていなかったのは両親だし、母親も生活が苦しくても自分で働いて子供達を養っていこうとはならなかった。子供を育てるべきなのはまず両親だ。ピカソが冷酷で残酷だったのは事実でも、マリーナがまず責めるべきなのは両親なのでは。2021/04/16

二藍

5
『恋愛美術館』ピカソの項で参考文献として挙げられていた本。著者は直系の孫にあたるマリーナ・ピカソ。巨匠たる祖父との思い出を回想するありふれたエッセイかと思いきや、その実「告発」といっていいような叫びが溢れていた。ピカソの名に縛られ、その奴隷となることで施しを受けても貧困にあえぐ家族。ビカソの死を追うように次々死んでいった兄や父親。あまりに悲惨で読んでいて息苦しい。2016/07/04

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