内容説明
かつてはジャーナリストとして、第一線で活躍していたトム・ラングドン。40歳を過ぎて若い頃の情熱を失った彼は、今やライターの仕事で細々と生計を立てている。ロスアンゼルスに住む恋人とクリスマスを過ごすため、ワシントンから大陸横断鉄道に乗ったトムは車中で、彼の元を去った昔の恋人、エレノアに再会する。長い間、エレノアへの思いを断ち切れずにいたトムの心は揺れるが―。アメリカのベストセラー作家デイヴィッド・バルダッチが描いた初のラブストーリー。
著者等紹介
バルダッチ,デイヴィッド[バルダッチ,デイヴィッド][Baldacci,David]
1960年、アメリカ・ヴァージニア州生まれ。地元の大学で法律を学んだ後、ワシントンの法律事務所で9年間働く。1996年、『目撃』でデビュー
武者圭子[ムシャケイコ]
静岡県生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アン
95
フリーライターのトムは、かつては世界各地を飛び回っていた戦場特派員。彼は父の願いを叶える目的もあり、クリスマスにアメリカ大陸を列車で横断し鉄道記事を書くことに。後悔に苛まれていた自分の人生を見つめ直す旅へと。寝台列車の乗客は個性的で、迫力ある老女、結婚式を挙げたい若いカップル、映画関係者など。思わぬ再会、不思議な窃盗事件、列車が立ち往生する危険にも遭遇しますが…。過去は取り戻せなくても前進し、幸せの扉をもう一度。ユーモラスに包まれたロマンチックなラブストーリーは、サンタクロースからの素敵なプレゼント。 2020/12/04
キムチ
48
アメリカのベストセラー作家のペンになるクリスマスの季節に合わせた?ラブストーリー。手慣れた展開とセリフやシチュエーションはラストまで健在。舞台がアメリカ大陸横断鉄道という事もあってか空間の狭さは何事も大袈裟に。恋愛は無論、エピソード一つ一つ、奇跡的な再開の臭さもシレーッと。恋人と過ごす時のためロスからワシントンに向かうトムの心に幾度どなく浮かび上がるかの人。コケティッシュな老女、連続する不審な盗難騒ぎ等々目的地に向けて走る人生トレインのスパイスといったところ。大方の予想通り、男と女のドラマはチャンチャン。2021/07/12
かごめ
18
ストーリーのメリハリも登場人物たちの個性・関係も面白かった。映像化したら横断鉄道・自然の醍醐味が伝わるのではないだろうか。2016/01/28
鏡也
8
聖夜の奇跡がここにも!大人向けのクリスマスラブストーリーです。婚約者の元に向かう主人公は、列車の中でかつての恋人に遭遇する。何故か列車の中で意気投合した元恋人の上司(映画監督)と仕事をすることになり、おまけに列車には婚約者が乗り込んできて波瀾万丈の予感。列車の同乗者には、イカれたばあさんや変人牧師など、多数の魅力的なキャラ。ラストで、仮面を被ったキャラたちのネタバレ。来年のクリスマスに時間があれば是非読んでみてください。2016/12/17
小瑠璃
7
クリスマスのおすすめ本を聞かれたら、今後は迷わずこの本の名前を答えようと思います。絵本や児童書では、素敵なクリスマスの本は数あれど、大人向けでここまで楽しかった本ははじめてかもしれません。あらすじを一言で言うと、アガサクリスティの『オリエント急行殺人事件』のラブストーリー版inアメリカ。浪漫溢れる列車の旅と、そこに乗り合わせたかつての恋人。そして個性的な乗客たち。笑いとロマンスたっぷりで、スパイスにはクリスマスの奇跡と大人のずるさを少々。来年のクリスマスシーズンにも読みたい本です。2015/12/21