出版社内容情報
大戦前夜の欧州で、バカンス帰りのアイリスが特急列車の中で知り合った謎の女性が、疾走する列車から忽然と姿を消した！ しかも他の乗客は誰一人、そんな乗客はいなかった、というのだ。ヒッチコックの名画の原作となった不朽のサスペンス小説！
バカンス帰りの英国女性アイリスが、特急列車で知り合ったミス・フロイ。だが彼女は疾走する列車内で突然姿を消す。もしや彼女の身に何かあったのでは、とミス・フロイを捜すアイリス。だが、他の乗客は口を揃えてそんな乗客などいなかったというのだ。アイリスは必死で彼女の存在を証明しようとするが…。孤立するアイリスに、列車内に張り巡らされた陰謀の影が迫る。何を尋ねても答えない高飛車な貴族の奥方、医者と名乗る怪しげな男と全身包帯の謎の患者……。緊迫するヨーロッパ情勢を背景にしたサスペンス・ミステリの古典的名作。ヒッチコックの映画化で日本でも公開された名画の原作、待望の翻訳ついに登場！
内容説明
バカンス帰りの英国女性アイリスが、特急列車で知り合ったミス・フロイ。だが彼女は疾走する列車内で突然姿を消す。もしや彼女の身になにかあったのでは、とミス・フロイを捜すアイリス。だが、他の乗客は口を揃えてそんな乗客などいなかったというのだ。アイリスは必死で彼女の存在を証明しようとするが…。孤立するアイリスに、列車内に張り巡らされた陰謀の陰が迫る。緊迫するヨーロッパ情勢を背景にしたサスペンス・ミステリの古典的名作。ヒッチコックの映画化で日本でも公開された名画の原作、待望の翻訳ついに登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
85
題名に惹かれ久し振りにミステリーを。有名なアガサ・クリスティーの「オリエント急行…」と同じ頃1930年代の作。戦前、ヒッチコック監督により映画化され大ヒットするも、日本公開は戦後76年。そして原作の翻訳は2003年。疾走する特急列車の中で一人の女が消える。休暇から英国に帰る途中の金持ちの若い娘アイリスが事件に巻き込まれる。舞台はトリエステに向かう列車の中ということから、アイリスが休暇を過ごしたホテルは当時のユーゴ辺りの山地か？その時代の階級社会の雰囲気、更にはかつて世界に君臨した英国の残滓も感じられる。2020/06/10
NAO
76
ヨーロッパの外れの保養地からただ一人でシーズン最後のバルカン超特急に乗ったイギリス人のアイリスが出会ったミス・フロイ。一緒にお茶を飲んだはずなのに、一眠りして目覚めると彼女の姿はなく、誰もがそんな女性などいなかったという。知人は誰一人いない。なんとも不気味な雰囲気の貴婦人。怪しげなドイツ人医者。彼が語る恐ろしげな話。 逃げ場のない列車の疾走が、嫌が上にも不安と焦燥をあおる。2020/08/12
キムチ
53
読みはじめると、そこは特急の車内。クリスティ作にもあるように車内ミステリーは否応にもサスペンスムードを高める、スクリーン的にも。訳がめちゃ読みやすいと思ったら、ハーレクィンものを多数手掛けてらっしゃる。アイリス、消えた中年女性、怪しい男爵夫人と黒いＤｒ。登場人物が限られているし、切り取った場面だからあとはコミュニケーション合戦。欧州は当時緊迫する空気にあったことを思い合わせると更に楽しめた。細切れ読みでもすぐに場面に身を投じれるのは、やはり良作ならでは。100年前に活躍した作者かぁ~、これぞいい味わい☆彡2016/01/24
みっぴー
43
ヒッチコックによって映画化もされている作品です。一気読み。めちゃくちゃ面白かったです。ウイリアム・アイリッシュとか、ヘレン・マクロイが好きならマストリードです。大陸横断鉄道で女性が消えた。しかし乗客は揃って、そんな女は知らないと証言。はたして女は幻だったのか？トリックは分かりやすいけど、主人公のアイリスはアウェー感全開で、周囲は敵だらけ。言葉もろくに通じないし、相手は支配者階級の人間。孤立無援のアイリスがどんな手段で幻の女を探し出すのか…？電車が少し怖くなる((( ；ﾟДﾟ)))2018/07/05
星落秋風五丈原
33
バカンス帰りの英国女性アイリスが、特急列車で知り合ったミス・フロイ。だが彼女は疾走する列車内で突然姿を消す。もしや彼女の身に何かあったのでは、とミス・フロイを探すアイリス。だが他の乗客は口を揃えてそんな乗客などいなかったというのだ。アイリスは必死で彼女の存在を証明しようとするが。孤立するアイリスに列車内にはり巡らされた陰謀の影が迫る。緊迫するヨーロッパ情勢を背景にしたサスペンス・ミステリの古典的名作。2003/03/11
