内容説明
芥川賞候補作3篇を含む珠玉の作品集。―あの、二年前の別れたあと、私は毎日、新聞の社会面をみるたびにびくびくした。女の自殺ばかりが目につき、不安は半年以上もつづいた。…彼女の死、それが、それまでは新しく生きることも死ぬこともゆるされない、ひとつの刑の期限のように思えたのだ。―ある女優の自死をきっかけに、冷たく別れたかつての恋人・小田富子のことをあらためて思い起こす“私”。突然、消息不明だった富子から「会いたい」という手紙がきて…。表題作「演技の果て」のほか、米兵に媚びを売る日本人女性に複雑な思いを抱く日本人少年を描いた「その一年」、乳飲み子を船から海に投げ込んだ女の心理を綴る「海の告発」という芥川賞候補作3作品と、「煙突」「猿」「遠い青空」「頭上の海」といういずれ劣らぬ4篇の短篇からなる作品集。
著者等紹介
山川方夫[ヤマカワマサオ]
1930(昭和5)年2月25日‐1965(昭和40)年2月20日、享年34。東京都出身。「三田文学」の編集者として活躍の傍ら、「演技の果て」「海岸公園」等の作品で芥川賞候補になるも、交通事故に遭い34歳で亡くなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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