内容説明
高校時代から社会主義運動に興味を持っていた著者は、運動の仲間と中国東北部などを転々とする。その途上で女児を産むが、母子ともに栄養失調だったため、子どもは間もなく死亡―。金持ちが優遇され、そうでない者は薬すらもらえないという現実を記した出世作「施療室にて」に、重い腹膜炎で入院中の左翼活動家が、思想犯として逃亡していた夫の無事を祈りつつ、それよりも切実に自らの生還を願う第1回女流文学者賞受賞作品「こういう女」をカップリング。
著者等紹介
平林たい子[ヒラバヤシタイコ]
1905(明治38)年10月3日‐1972(昭和47)年2月17日、享年66。長野県出身。本名タイ。1947年『こういう女』で第1回女流文学者賞を受賞。没後、遺言により、「平林たい子文学賞」が創設された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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