内容説明
「植物学の父」とその糟糠の妻を描く。小学校中退ながら、ほぼ独学で植物の研究に生涯を捧げ、輝かしい業績を残した牧野富太郎と、想像を絶する生活苦にもめげず夫を支えた妻・寿衛子の生涯を、富太郎と同郷の著者が丹念に描く。裕福な商家に生まれた富太郎は、父母を亡くしたにもかかわらず、研究と趣味のため湯水のように金を使ったので、たちまち困窮。なおも高利貸しから借金を重ね、借金取りに追い回されるのが常態となる。そんななかでも、寿衛子は13人の子ども(成長したのは7人)を育て上げ、待合の女将として働き、富太郎の夢を叶えようとした。夫婦の手紙を紐解きながら、「植物学の父」とその糟糠の妻の素顔に迫った名作。
著者等紹介
大原富枝[オオハラトミエ]
1912(大正元)年9月28日‐2000(平成12)年1月27日、享年87。高知県出身。1960年、『婉という女』で第13回野間文芸賞、第14回毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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