内容説明
“情念の川柳作家”時実新子の半生記。―どこにも落ち度のない妻と海野は別れなければならない。おなじように新子は夫と別れなければならないところへ追いつめられていた。しかし、それが愛のすがたというものかもしれない。真実は悪の面を被って、とことん美しくあろうとするものだから。―医師を目指していた少女が17歳でやむなく結婚。夫の暴力と愛のない生活に疲れ果てていた新子を救ったのは川柳だった。創作活動を通じていくつかの出会いと別れを経験し、やがて妻子ある編集者・海野に巡り逢う。はたして海野は新子にとって運命の人なのか…。与謝野晶子と並び称される“情念の川柳作家”時実新子が自らを晒した、赤裸々な半生記。
著者等紹介
時実新子[トキザネシンコ]
1929(昭和4)年1月23日‐2007(平成19)年3月10日、享年78。岡山県出身。本名・大野恵美子。1963年句集『新子』でデビュー。1987年句集『有夫恋』がベストセラーに。1976年三條東洋樹賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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