内容説明
「おい、日清戦争の前の年まで、今の東京都下は神奈川県だったのを知っているか。…都下という言い方、いかにも東京白人の発想だ。植民地扱いじゃないか」関東大震災後に郊外に移ってきたサラリーマン一家の子・太田久雄は、武蔵野にルーツを持つ中学時代の友人たちからそう指摘される。彼らは自らを「武蔵野インディアン」と称し、地に足がついておらず「紙とインクの世界しか知らない」都会の“白人”とは一線を画する存在だというのだ―。武蔵野を題材に、都会と地方、戦前と戦後、保守と革新といった、さまざまなコントラストを見事に描出した珠玉作。
著者等紹介
三浦朱門[ミウラシュモン]
1926(大正15)年1月12日‐2017(平成29)年2月3日、享年91。東京都出身。1985年、第7代文化庁長官に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。