出版社内容情報
ロシア人、日本人、スペイン人、韓国人……さまざまな理由で、自然の厳しいアメリカ最北端の町に流れ着いた人々の、それぞれの事情と人間模様を描いた名作長編。第14回女流文学賞を受賞。
内容説明
アメリカ最北端の町で繰り広げられる人間ドラマ。―彼等はみんなその祖先に流れ者の血を持っているので、流れ者に対して寛容であり、理解もあった。―命からがらの逃避行でロシアから逃れ、中国、そしてアメリカ最北端へと流れ着いたマリヤ。マリヤの飼う4頭のシベリア犬に飼い猫を殺されたにもかかわらず、友人づきあいをするアヤ。そのアヤは、前夫との子を連れ日本に一時帰国するが、元夫とはやはり心を通わせることができず、親子ともどもさみしい思いを抱いてアメリカに戻る。アヤとも知り合いのカルロスはスペイン、中米から自作のヨットで漂着し、そのまま居着いてしまった印刷屋の主人。ある日フェリーでやってきた東洋系の女性と知り合うが、彼女もまた、韓国系の母親と日本人の父親を持つ“漂流者”の一人だった―。第14回女流文学賞を受賞した名作長編。
著者等紹介
大庭みな子[オオバミナコ]
1930年(昭和5年)11月11日‐2007年(平成19年)5月24日、享年76。東京都出身、1968年『三匹の蟹』で第59回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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