出版社内容情報
先妻からのアプローチに悩む資産家の杉原康方とその若妻・蒔子。康方に親戚のようにかわいがられながらも、蒔子に横恋慕する学生の岩永森男。屈折した三人の心理劇を見事に描き切った、第2回野間文芸賞受賞作品。
内容説明
「森男を蒔子に近づける。…二人は現在でも抑制しつつ愛し合っている。その抑制を或る程度外してやれば、二人は近接し、密着し、融けあうだろう。」学生の岩永森男は、父の代から杉原産業の庇護を受けており、当主・康方とは親戚同然の間柄だった。しかし森男は、康方の若い妻・蒔子が気になって仕方がない。蒔子も森男を憎からず思っているらしい。一方で蒔子は、康方の先妻の存在に心を痛めていた。そこで康方は、蒔子を苦しめた自分への罰として、森男と蒔子の接近を甘受しようとする…。屈折し倒錯した三人の心理劇を見事に描き切った、第20回野間文芸賞受賞作品。
著者等紹介
舟橋聖一[フナハシセイイチ]
1904年(明治37年)12月25日‐1976年(昭和51年)1月13日、享年71。東京都出身。1964年『ある女の遠景』で第5回毎日芸術賞を受賞。代表作に『花の生涯』『好きな女の胸飾り』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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