内容説明
しがない画学生の小田孝吉、アメリカでフランス語の講師になることを夢見て貧しい生活に耐えている高松ユキ子、計理士の勉強をしている大学生・佐竹潔、ユキ子を陰で支えている富豪の鹿島与兵衛。なんの落ち度もない4人の日本人が、フランスで疑獄事件や左翼・右翼の権力闘争に巻き込まれ、命の危機にさらされる―。小田が深夜の地下鉄で、怪しい男たちが死体を運ぶところを見てしまったところから、物語は息をもつかせないスピードで疾走していく。実際にあった“スタヴィスキー事件”を題材に、鬼才・久生十蘭が繰り広げるアドベンチャーストーリー。
著者等紹介
久生十蘭[ヒサオジュウラン]
1902年(明治35年)4月6日‐1957年(昭和32年)10月6日、享年55。北海道出身。本名・阿部正雄。1952年『鈴木主水』で第26回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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