出版社内容情報
川端康成の珠玉の「青春小説」二編が甦る!
昭和33年に月刊誌「平凡」に連載されたものの、その後長い間単行本化されずに埋もれていた『遠い旅』は、青春を彷徨する若者の人生を描いた作品。
『川のある下町の話』は、恵まれない大衆の生活の重みと苦しみが渦巻く町で、必死に生きる若者たちの姿を描いた群像小説で昭和28年の作品。
川端青春小説が奇跡のカップリングで、いまここに甦る!
川端 康成[カワバタ ヤスナリ]
著・文・その他
内容説明
昭和33年に月刊誌「平凡」に連載されたが、単行本化されずに埋もれていた『遠い旅』は、青春を彷徨する若者たちの人生模様が描かれた群像小説。『川のある下町の話』は、恵まれぬ大衆の生活の重みと苦しみが渦巻く庶民の町で、これまた必死に生きる若者たちの青春群像を綴った昭和28年の作品である。今、時を超えて、川端青春小説の佳作2篇が奇跡のカップリングとして甦る!
著者等紹介
川端康成[カワバタヤスナリ]
1899年(明治32年)6月14日―1972年(昭和47年)4月16日、京年72。大阪府出身。1968年、ノーベル文学賞を日本人として初めて受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
62
『川のある下町の話』の戦後直後の風俗が比較的生々しい。川端も女の子を普通に幸せにしてあげればいいのに、と思うが、一筋縄ではいかない。なんとなく川端のこだわりというか生得的な呪縛のようなものが垣間見えて、それはそれで興味深い。2019/07/04
桜もち 太郎
16
長編2作品。「遠い旅」は、二十歳の女性たちの青春恋愛物語。主人公さつきの友人かおるの存在がいい。株に起業、結婚と我が道を行く清々しさ。対象的なのはさつきと雪子。男たちも煮えきらない。『好き』『嫌い』それだけでいいような気がするが、そこは川端作品、一筋縄ではいかない。「川のある下町の話」は、貧しい下町で医者を目指す義三を中心とする若者達の物語。義三とふさ子の純愛物語といってもよい。愛には大切な時というものがある。二人の巡り合わせ、運命のズレが恨めしかった。2作品とも読みやすく川端文学を堪能することができた。2024/07/28
双海(ふたみ)
12
昭和33年に月刊誌「平凡」に連載されたものの、その後長い間単行本化されずに埋もれていた『遠い旅』は、青春を彷徨する若者の人生を描いた作品。『川のある下町の話』は、恵まれない大衆の生活の重みと苦しみが渦巻く町で、必死に生きる若者たちの姿を描いた群像小説で昭和28年の作品。絶版の新潮文庫版『川のある下町の話』を持っているが、『古都』に次いで好きな川端作品になっている。2024/06/12
MrO
1
40年前に読んで、変わらずの面白さ。恐るべし、ノーベル文学賞。2024/11/10
P
1
川端康成は大好きだから買っちゃう。こういうのたくさん書いたことを批判してる人もいるっぽいが、川端康成の文章をばか高い全集等でなく読めるのはありがたい。2017/04/11