出版社内容情報
太宰治らとの交遊から芥川賞受賞までを随想
昭和49(1974)年、62歳にして『月山』で芥川龍之介賞を受賞した著者だが、弱冠20歳で華々しく文壇デビューした後、筆を擱(お)き長い長い流浪の旅に出たのは何故か。あまり世に知られていない、空白の40年間が垣間見える随想録である――。菊池寛に見出され、横光利一の推輓により、毎日新聞で『酩酊船(よいどれぶね)』を連載するなど前途洋々、将来を嘱望された若手作家だった森。同時代を生きた朋友・太宰治、壇一雄との交遊、太宰が『走れメロス』を執筆したエピーソードや、井伏鱒二や尾崎一雄、川端康成、谷崎潤一郎、志賀直哉らの名も日常生活を語る中で登場する。奈良や山形月山などで暮らした日々も綴られている。主に新聞の文化欄に掲載された文章だが、どんな短文にも筋が通った森流論理が窺える。
森 敦[モリ アツシ]
著・文・その他
目次
1(青春時代;檀一雄 花と孤愁;檀一雄の終焉 ほか)
2(老人諸君;瞼の裏の目;口三味線 ほか)
3(あきど聟;母の声;月山のスギ ほか)
著者等紹介
森敦[モリアツシ]
1912年(明治45年)1月22日‐1989年(平成元年)7月29日、享年77。長崎県出身。1974年『月山』で、第70回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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