目次
春に目覚める命(画「紅梅」;画「紫陽花」文「白神山地」 ほか)
夏に輝く命(画「高原の初夏」文「留守宅の花」;画「メロン」文「蝉」 ほか)
秋を彩る命(画/文「露草」;画「かぶと椎茸」 ほか)
冬に佇む命(画「椿」;画「冬山」文「山の冬」 ほか)
著者等紹介
堀文子[ホリフミコ]
1918年7月2日東京都麹町区平河町(現千代田区平河町)に生まれる。1936年18歳、女子美術専門学校(現女子美術大学)師範科日本画部に入学。1939年21歳、第2回新美術人協会展に初入選。1940年22歳、女子美術専門学校を卒業。以後、作品を発表しながら、記録画、本の挿絵や装丁の仕事にも携わる。1952年34歳、第2回上村松園賞を受賞。作品制作以外に、絵本なども出版する。1974年56歳、多摩美術大学教授となる(1999年まで)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
39
生き方や作品は時を超えて人に永遠の命を与えます。それでもしかし黄泉に旅立たれることはとてもさみしいことです。緻密な描きこみと大胆な省略によって花や草、木や景色の息吹を伝えてくれた堀文子が百歳でお亡くなりになりました。凛とした生き方、凛とした文章そして凛とした画風は清い風を観る者に送ってくれました。これからも送り続けてくれるのです。命とその営みの不思議を追い求めていた画家は今頃、あちらでその様子をつぶさに見つめていることでしょう。美しい人と同時代に生きることができた感謝を抱きつつ、画家のご冥福を祈ります。2019/02/11
井月 奎(いづき けい)
33
日本画独特の切れ味のいい色彩を用いて描く「命」は生きる喜びを感じさせてくれます。その喜びが自然への回帰に基本を持つことだと絵にそえられた文章で知らしめます。絵は濃密でありながら透明感があり、いつもいつも命の脈動を感じさせてくれます。怒ったりあきれたり感心したり褒めたりまた怒ったりの文章はご愛敬。確かな技量で目を楽しませつつも感服させる画家は、子供のように喜怒哀楽がころりころりと七変化します。その大きく柔らかい心を持った画家の描く野菜には土の味を確かに感じますし、花には水の透明さが描かれています。2018/04/09
tomatobook
4
毎日を丁寧に生きている人。つい最近まで白寿記念の展覧会をしていたのは驚き。生まれ故郷の東京の変貌に憂いながらも、季節ごとの移ろいに向き合って自分に正直に生きる姿に憧れる。2018/04/30
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