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嫉妬の香り

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093423519
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

誰の心にも存在する嫉妬という感情。その感情に振り回されながらも、絶対的な愛を求める4人の男女。官能的な香りを小道具に、マチュアな大人の恋愛が、ドラマティックに、かつ人間らしい温かい目で描かれています。

愛の存在がある限り、誰の心にも必ず嫉妬は存在する。主人公、私は音楽の仕事に携わる34歳の男性。恋人ミノリとは順調に愛を育んでいるように見えたが、学生時代の先輩である政野に誘われ、「癒しの庭」というインテリジェントビル建設のプロジェクトに2人で参加したことを機に、歯車は狂い始める。政野とミノリに裏切りの匂いを感じ、「未来の浮気に対する予防のような復讐」をしよう、と政野の妻・早紀に誘われるまま私は深い仲に堕ちていく…。嫉妬というウイルスのような感情に振り回されながらも愛を求めつづける4人の男女。そんな大人の愛の小道具として登場する官能的な香り。東京とパリを舞台に、大人の愛と人間らしい心の軌跡がドラマティックに描かれています。芥川賞作家、日本人初のフェミナ賞作家でもある辻仁成が正面から「大人の恋愛」に取り組んだ話題作。

内容説明

愛ある限り、必ず嫉妬は存在する。強烈な嫉妬により、見失いかける愛。その一方で、嫉妬から始まる大人の愛。そのふたつを彩る、官能的な香り。誰の心にもある、愛への願望と怖れを鮮やかに描き出す…。辻仁成が真っ正面から“大人の恋愛”に取り組んだ、衝撃の話題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

104
アロマテラピー、作曲家、東京とパリ、そして嫉妬。自分に身近なキーワードにつられて買ったのが14年前。当時中2だった僕は猛烈な嫉妬に苦しんでいたけど物語には全く共感できなかった。久々に再読してみても、登場人物達4人があまりに哀れで愚かで、やはり滑稽にしか映らなかった。平凡な暮らしが退屈で夫に嫉妬させたいがために、婚約者のいる男を利用する妻。本人同士で腹を割った話もせず、確かな裏も取らずに妄想だけで嫉妬し、自己防衛のために浮気をして堕落して壊れていく男女。愛の意味を履き違えてる限り、彼らはまた繰り返しそうだ。2014/03/04

優希

79
壊れた感情を感じずにはいられませんでした。嫉妬は感情の制御を殺してしまうと思います。感じずに済めばいいのかもしれませんが、愛があることで生まれてしまうのは仕方ないことでしょう。浮気していないか不安だから、その不安を埋めるように浮気をする。それでいながら相手に嫉妬するという矛盾のような空気を綺麗にまとめあげているような気がします。もう少し人間臭さがあってもいいかもしれません。そんな中に漂う様々な香り。嫉妬という感情を香りとして表現しているのに引き込まれました。2016/05/07

あつひめ

42
目隠しをして嗅覚だけで求めるような物語だった。香りは愛を演出する一つであることには違いないようだ。あなた次第・・・この言葉が人を試すような言葉に聞こえたのは私だけだろうか。自分の気持ちを伝えず「あなた次第よ・・・」と。とても狡いように感じた。人を愛するのは見返りを求めるものではない。なんて聖人君子的なことは笑われるだけか。香りは一瞬にして時を越えさせてくれる魔法の媚薬でもあるように感じた。独りよがりの恋の象徴のようだった。2012/01/05

星落秋風五丈原

22
巨大なインテリジェントビル計画を任されている政野英二から考案したヒーリングミュージュックを使わせて欲しいと依頼された哲士。働く人々の気持ちを和らげるのに必要な五感の聴覚部門を受け持つことになった哲士はアロマテラピストの恋人、ミノリをこのプロジェクトに参加させようと英二に紹介するが、ミノリの態度が微妙に変化し、哲士は英二の妻早希から「私たちは裏切られている」と囁かれる。体に感じるまとわりつくような暑さのように、4人の男女の関係が描かれる。作「冷静と情熱のあいだ」より硬質な印象。装丁が本の内容にあっている。 2000/07/23

ブルームーン

18
嫉妬に狂った男性の愚行。とにかくドロドロ。読んでて苦しくなる。2017/03/21

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