Ｓｕｐｅｒ！ ＹＡ ルーシー変奏曲

ザール，サラ【著】〈Ｚａｒｒ，Ｓａｒａ〉/西本 かおる【訳】

小学館（2014/02発売）

• サイズ B6判／ページ数 381p／高さ 19cm
• 商品コード 9784092905771
• NDC分類 K933
• Cコード C8097

出版社内容情報

美しくも切ない天才ピアニストの物語

天才ピアニストとして英才教育を受け幼少期から活躍していたルーシー。世界的なピアノコンテストに出るために、世界各地を回っていました。あるコンクールの当日、祖母の死を知り、ショックで会場から逃げ出してしまいました。そのことをきっかけに、ピアノをやめてしまいます。ルーシーのピアノにすべてをかけていた祖父の怒りをかい、家族ともうまくいかなくなってしまいました。しかし、ルーシーの後継者として育てられている弟のピアノ教師と交流することで、自分にとってのピアノは、なんだったのか考え始めます。自己発見と成長の感動物語。

【編集担当からのおすすめ情報】
作者のサラ・ザールは、2007年デビュー作品で全米図書賞を受賞して以来、YA話題作を発表し続け、すべての作品で、その年のベストブックに選ばれる定評のある作家です。また、数々の文学賞を受賞しています。本作品は、今年の春に発売され、この夏の各誌ベストブックに選ばれました。ニューヨークタイムズでは、「エレガントで感動的な小説」と絶賛されています。
ピアノを題材にしたこの本では、本文中で、ヴィヴァルディ、ショパン、ブラームス、ガーシュインなど、さまざまな作曲家の曲がとりあげられ、物語に彩りをそえています。ぜひ一緒に音楽も聴いてみてください。

サラ ザール［サラ ザール］
著・文・その他

西本 かおる［ニシモト カオル］
翻訳

内容説明

コンクール、スポットライト、拍手、賞賛、数々の栄光。ピアニストとして英才教育を受けてきたルーシーは、プラハのコンクール会場で、突然舞台から立ち去ってしまう。なぜ彼女は弾けなかったのか？「二度とピアノを弾かないと決めたんだな」祖父の言葉は、彼女の心につきささった。自己発見の成長と感動物語。

著者等紹介

ザール，サラ［ザール，サラ］ ［Ｚａｒｒ，Ｓａｒａ］
デビュー作『ｓｔｏｒｙ　ｏｆ　ａ　ｇｉｒｌ』（２００７年）で全米図書賞の最終候補に選ばれるなど、数々の権威ある賞にノミネートされている。これまでに６作のヤングアダルト小説を発表しているほか、エッセイやノンフィクションも手がけ、２０１０年には全米図書賞の審査員を務めるなど幅広く活躍中。クリーヴランド生まれ、サンフランシスコ育ち。現在はユタ州のソルトレイク・シティで夫とともに暮らしている

西本かおる［ニシモトカオル］
京都生まれ。東京外国語大学卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[星落秋風五丈原]

高校生の読書感想文コンクールの課題本になったとか。さもありなん。ヒロインがりりしい。

2020/02/05

[かもめ通信]

幼いころから天才ピアニストとして脚光を浴びてきたルーシーは、あることが引き金となって突然ピアノをやめてしまう。家族の非難と落胆、自分との折り合い、やるべきこと、したくないこと、やりたいこと、大切なもの、好きなもの。１６歳の少女が自分自身と向き合って、自分の進む道を模索する物語は、音楽の調べに乗せて、切なさも歯がゆさも甘さも酸っぱさも絶妙なバランス？！ SUPER!YAシリーズ、やっぱりあなどれない。

2014/12/28

[杏子]

厳格な祖父に監視され、束縛されるようにピアノをやっていた16歳の少女の決断と新たな出会い、自分との葛藤…才能をもっているただそれだけで、うまくいくわけではないんだな。振り子のように揺れているルーシーの心が痛い。いつかまっすぐ立って自分の道を進んでいけるように。そんな期待と希望を乗せて、本作は終わっている…。旅立ちの日を迎える方におすすめしたい。

2014/03/30

[ホースケ]

幼い頃からピアノの才能に恵まれたルーシーが、悩み苦しみながらも成長していく姿が清々しかった。ピアノを弾けなくなったことで生じた家族との葛藤や教師への淡い恋心。その一筋縄ではいかない人間関係の中でも、本当に大切なことを見つけ出していく様子は、16歳の少女とは思えない逞しさを感じた。「どうして人間って、どうしてわたしたちって、人生がすごくつらいみたいな顔をして生きているんだろう？」この言葉は何故か心に刺さった。しかし、同級生とのドライブや、ワインの二日酔いの場面などアメリカとの文化の違いには何度か驚かされた。

2019/02/13

[kanon]

一人の人間として成長してく彼女の話が、とても丁寧描かれた作品でした。ルーシーは、才能を持った子ですが、そうだから、ではなく、内容は違えど、誰もがあるようなことを悩んで、触れて、葛藤して、上手く飲み込めないもの、しっかり抱え込めるようになったものそれらすべてを抱えて、これからどうなるかわからないけれど、それでも今はこうして行くよ、と進んでいく姿が鮮やかに映し出されます。

2014/03/30