おうだんほどうのムッシュトマーレ

香坂 直【作】/フィリケ えつこ【絵】

小学館（2015/04発売）

• サイズ A5判／ページ数 159p／高さ 21cm
• 商品コード 9784092897410
• NDC分類 K913
• Cコード C8093

出版社内容情報

朝読に最適、朝から心がぽっかりする小品集

心のなかの信号を無視して突き進もうとする人たちに、「ちょっと待って！」と声をかけ、どこからともなくあらわれる謎の男ムッシュ・トマーレ。心の中の信号を無視して、横断歩道を「えいっ！」と渡ってしまおうとする人って結構いるのです。そうすると大変です。どうなるかっていうと･･････もやもやした気持ちを抱えたまま“まよいの国”に入り込りこんでしまったり、むしゃくしゃして“なげやりの国”に迷い込こんだり。ひとりぼっちになってしまう"こどくの国"やいつもいらいらしている"いらだちの国”なんていうのもあります。そこに入り込んでしまうともうもどってこれなくなるかもしれません。ムッシュ・トマーレが、それぞれの心の声に正直になることに気づかせてくれます。みなさんの前にもムッシュ・トマーレが出没するかもしれませんよ。気をつけてくださいね。

【編集担当からのおすすめ情報】
2012年読売新聞に読み切りで掲載された掌編「横断歩道のたいぞうさん」から着想して、中編として書き下ろしました。小学生、中学生、おばあさん、おじさんと、いろいろな人たちの心の中をのぞかせてくれる、5本の小品集です。
読みやすく、心がほっこりしてくるようなお話しは、小学生の朝読に最適です。

おうだんほどうのムッシュトマーレ

もくじ

第一話 四月・裕太
第二話 五月・康介
第三話 六月・香奈子
第四話 七月・君江さん
第五話 八月・涼


香坂 直［コウサカ ナオ］
著・文・その他

フィリケ えつこ［フィリケ エツコ］
イラスト

内容説明

「ノン、ノン、ノン」どこからともなくあらわれる謎の男ムッシュ・トマーレ。心の赤信号を無視してつき進む人を止めるための、横断歩道の見はり番です。あなたの心の信号は何色ですか？

著者等紹介

香坂直［コウサカナオ］
１９６４年岡山県生まれ。大阪教育大学卒業。第４５回講談社児童文学新人賞佳作に受賞した『走れ、セナ！』（講談社）で２００５年にデビュー。同作品で、第１６回椋鳩十児童文学賞を受賞

フィリケえつこ［フィリケエツコ］
東京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業後、フランスの国立装飾美術学校で版画、彫刻を学ぶ。版画のアトリエで助手をするかたわら、ＣＤジャケット、雑誌の仕事を手がけ、フランスの出版社からＥｔｓｕｋｏ　Ｗａｔａｎａｂｅ名で絵本を出版。２００８年に帰国し、現在もフランス雑誌や絵本の仕事にたずさわる（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ほんわか・かめ]

交通安全の物語ではありません。この横断歩道は決して渡ってはいけない心の交差点。今ここで逃げていいのか？仲違いしたままでいいのか？モヤモヤを抱えたままでいいのか？そんな人たちをムッシュトマーレが立ち止まらせてくれます。まるでホワイトな喪黒福造です。あ、全身赤服のオッチャンですけどね。中学年〜〈2015/ 小学館〉

2023/06/13

[花林糖]

（図書館本）インパクトのある表紙に惹かれて。ムッシュトマーレは「心の信号無視」を止めてくれる謎の人。「あなたの心の信号は何色ですか？渡っても大丈夫ですか？」ムッシュトマーレに止めて欲しい！色々と.....。表紙からは想像出来ない奥深いお話でした。

2016/12/27

[おはなし会 芽ぶっく]

笑うセールスマンの赤い版のような容姿のムッシュトマーレ。「あなたの心の信号は何色ですか？」「きみの心のなかの信号は、きみに『わたれ』といってましたか？」心のモヤモヤがある時は、ちょっと立ち止まって考えてみよう、というおはなし。『四月・裕太』『五月・康介』『六月・香奈子』『七月・君江さん』『八月・涼』続編は無いようですが、九月以降も読んでみたいな。

2019/10/09

[けい子]

真っ赤な出で立ちのムッシュ・トマーレ。横断歩道を渡ろうとしている心に迷いのある人の前に現れ言います「あなたの心の信号は青でしたか？」。子供達は100%不審者と間違え、防犯ブザーを鳴らそうとします。今の時代の絵本らしい下りです。

2017/06/19

[みー]

表紙のインパクト大！心の信号機！！あなたの心は大丈夫？人は些細なことで、傷ついたり、傷つけたり・・そのうち心は疲弊し、闇の中を彷徨うことに・・そんな入り口に立つ人々の前に現れる怪しい全身赤ずくめ男！彼はそんな人々に心の信号機の存在を教えていくのだが・・なんとも面白くかつ、奥深い物語だった。心がささくれ立つのって、子供だとか大人だとか関係なく描いている所もよかった。

2017/04/22