出版社内容情報
ゲージツ家クマさんが紡ぐ少年の友情と成長
第58回小学館児童出版文化賞受賞作家、
ゲージツ家クマさんが紡ぐ少年たちの友情と成長の物語。
「見えなくても確かに在るものって在るだろ?」
学校でも勉強にはいまいち集中出来ず、
だからといって運動や遊戯の時だって、
頭の中と身体がバラバラになってしまう・・・
犬が苦手で小心者の僕、ダダン。
親友のトキオが自転車につけてくれた弁当箱は、
「生きてる量をはかる」メーター、アンペア・メーターだった。
気が小さくて苦手なものだらけの
僕の中にも、アンペアは確かにあるんだ……
春休みの間の出会いと別れで、
少しだけ成長していく少年の物語。
●篠原 勝之 (しのはら かつゆき)
1942年、札幌市生まれ。鉄の街、室蘭で少年時代を過ごす。
グラフィックデザイナー、画家、絵本作家、
状況劇場のポスター、舞台美術を手がけた後、
1981年、エッセイ『人生はデーヤモンド』で注目を集める。
1986年より、“鉄のゲージツ家”としてダイナミックな造形を
モンゴル、サハラ砂漠をはじめ、国内外で精力的に創り続けている。
2009年、『走れUMI』(講談社)で第58回小学館児童出版文化賞を受賞。
【編集担当からのおすすめ情報】
子どものころ、いっつも一緒にいた
“友達”のことを思い出しました。
是非、大人の方もお読みいただいて、
“少年時代”に帰っていただけたら幸いです。
内容説明
気が小さくて苦手なモノだらけの僕の中にも、A(アンペア)は確かに在るんだ。小学館児童出版文化賞受賞のゲージツ家クマさんがつむぐ、少年たちの友情と成長の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Costa まさ
3
中学生あたりを対象にした児童文学なのかもしれません。鉄に魅せられた作者の描く小説は、悲しいのに楽しく感じたり、弱いのに強く感じたり・・・。否応無しに降りかかってくる残酷さと、それに戸惑いつまずきながらも、ひょいっと飛び越える純粋で無垢な力。自分は同じようには生きられないのだろうな。最後はちょっとだけ涙ぐんでしまいました。真っ赤に溶けた鉄のような熱いやさしさの塊に感じた一冊。2017/04/10
denden
0
クマさんこと、ゲージツ家・篠原勝之さんは立派な文芸家でもある。本書でも作者の人を見る目、社会を見る目の繊細さは良く分かる。文中「発言するのは成績上位の十人ちょっと。あとはその意見に同調するヤツがほとんどで、残りは自分のペースでやり過ごしているいつもの数人」どこの学校のクラスでも中身はこの構成に間違いない。 本書の始まりと終わりでは主人公ダんの成長は明らかで、自分も一緒に成長したような気分になる。表題の「アンペア」とは、読めば分かるが私も自分のアンペアメーターが欲しい。装画・挿絵も篠原氏。この絵も楽しめる。2015/02/16