出版社内容情報
雌豚の乳房肉やフラミンゴのロースト…。これらに添える多種多様なソース、デザートなど、古代ローマの美食家アピキウスが書き残したレシピ集。現存する最古の料理書で辿る古代ローマの美食の逸楽。
AD14年、二代目皇帝ティベリウス帝の治世。皇帝の息子の親友で貴族のアピキウスという人物がいた。彼は、豚に干しイチジクをあたえてレバーを肥育させる方法や、キャベツを油と塩で漬けてから煮ると色よくなる方法を考案。料理技術で高い評価を得るいっぽうで、稀代の美食家として名を馳せていた。皇帝が市民25万人にあたえるボーナスと同じくらいの巨額を食に投じ、財産はじゅうぶんにあるのに「これでは旨いものが食えない」と服毒自殺。その彼が残したのは、肉、野菜、魚介類などさまざまな食材を使ったレシピ集「アピキウスの書」だった。「牡蠣を酢で洗って保存する」など食材の保存法にはじまり、フラミンゴのロースト、詰め物をしたオオヤマネのローストなどの珍しい料理。胃腸によい料理。これらに添える多種類のソース。デザート。料理にはハーブをふんだんに使っていたこと。魚醤に似た謎の調味料ガルム、すでに絶滅した植物シルフィウムの存在。熱灰をかぶせて蒸し焼きにする調理器具など。 現存する最古の料理書といわれるこのレシピ集にコラムを加え、料理を通してローマという時代をより深く知ることができる。
内容説明
そもそもローマ人は粗食で、ギリシャ人から「お粥すすり」と蔑まされていた。しかし国力増大にともなって、ガストロノミー(美食主義)が花開く。その最たる美食家が、紀元14年2代目皇帝ティベリウスの治世に生きた大貴族アピキウスだった。彼は、あらゆる食材でさまざまなレシピを残していった。雌豚の外陰は、ふすまのなかでころがし塩水に漬けてから調理する。オオヤマネは詰め物をしてローストに。フラミンゴは皮をはいで洗い、形をととのえて…。そのほか、揚げ菓子やフレンチトーストのようなデザート、多くのソース、そして謎の調味料ガルムや幻の植物シルフィウム。美味、珍味を追究したアピキウスの料理書から、古代ローマ人の逸楽の跡を辿る。
目次
第1章 こまめな料理人
第2章 肉・魚・野菜などを細かく挽いた料理
第3章 園丁の収穫物
第4章 いろいろな材料を使った料理
第5章 豆類
第6章 鳥料理
第7章 贅沢な料理
第8章 四肢動物
第9章 海の幸
第10章 漁師の獲物
年表・古代ローマの食と時代