出版社内容情報
始皇帝、項羽、劉邦、武帝……。英雄・豪傑たちが次々に登場して、ダイナミックに展開する古代中国の歴史。司馬遷が精根こめて著した世界的な歴史書を、巨匠・横山光輝がコミック化した名作が、文庫版で登場!
▼第1話/義に殉ずる▼第2話/男と見込まれ▼第3話/大侠客朱家▼第4話/最後の侠客▼第5話/酷吏蒼鷹▼第6話/野心家寧成▼第7話/冬の月(前編)(後編)▼最終話/酷吏時代●主な登場人物/予譲(第1話)、聶政(第2話)、朱家(第3話)、郭解(第4話)、寧成(第6話)、王温舒(第7話)、杜周(最終話)●あらすじ/紀元前5世紀ごろ、晋では6人の家老が権力闘争を始めていた。予譲は6人の家老のうちの范氏、中行氏に仕えていたが、役目は使い走り程度。次に仕えた智伯には才能を認められたものの、智伯は趙一族の軍に討ち取られてしまう。予譲は、その敵を討とうと決心するのだが…(第1話)。▼戦国時代の斉に、聶政という男がいた。聶政は韓の領内で生まれたが、ふとしたことから喧嘩を起こし相手を斬ってしまう。仇討ちの手が母や姉にも及ぶのを恐れた彼は、斉に身を隠す。そんな彼のもとに、韓の大臣・厳仲子が「恨みを持つ人物を討つ手伝いをしてほしい」と頼みにやって来た。この突然の依頼に聶政は大いに戸惑うが…(第2話)。●本巻の特徴/『史記』は決して王侯貴族の興亡のみを描いたものではない。歴史の転換期に活躍の場を得られず、表舞台に名を残すことはままなら
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
highig
14
( ^ω^)処分前に再読。刺客、侠客、そして酷吏。如何にも古代中国らしいエピソードの数々が読んでいて愉しい。中国初の統一王朝である秦の強さの源はその法治主義にあったと考えられている。そして秦滅亡の後、中国を統一した漢もその政策を踏襲している。しかし屡々厳刑を科し、その罪至らざれば、即ち法を軽んじ死を侮る。あまりにも厳しい法、厳しい罰、その執行によって一酷吏が跋扈する時…それは却って人々に遵法精神を失わせ、国家の力を弱めていく事になるという話は、読んでいていまだ現代に通じる示唆に富んだ内容と言えるであろう。2018/05/08
にがつ
6
やっと読み終わった…。11巻は列伝。侠客の話が多かったような。法の取り締まりが厳しければきびしいほど、反徒や盗賊が増えるのはわかるな。2017/12/17
みじんこ
6
刺客、侠客となった人物、そして法治について考えさせられる内容。「士は己を知る者のために死す」という言葉は印象深い。事実、予譲、聶政は大恩のある人のために勤めを果たそうとし、命を捨てる。酷吏の話も多く、王温舒のように勢力のある一族の主は見逃したり、捕えた者を厳しい拷問にかけたり酷い話である。彼の最期は因果応報だと思う。最後に引用されていた老子の言葉、法が完備すればするほど反徒や賊が増えるという言葉通りの状態になっている。過酷な法の運用で逆に民心が離れていないか。法がそれを司る者の出世の道具となっていないか。2016/03/12
そうび
5
列伝。予譲カッコ良かった~、仇の衣を切り捨てての自決。聶政の男と見込まれての潔さも見事、姉も烈女。侠客はヤクザっぽいけど司馬遷曰く違うとな。あとは酷吏の話、法律が多い国=乱れた国よな、漢が弱体化するわけです。史記はもっと人々に読まれても良い、面白いし勉強になる。2019/10/27
aotake_1103
3
全巻通じて、登場する優秀な人物も政権担当者から邪魔者扱いされると酷い殺され方をしたり、逃げないといけない。秦も漢も中国を統一したまでは良いが、その後は後継者が自分の事しか考えず周りを不幸にしてゆく。大変な時代だったのだと改めて思う。特に漫画『キングダム』にも登場する蒙恬が殺されるところは「酷いな、、、」と思って読んでいた。 日本では卑弥呼のが生まれる遥か前の時代だから、国の統治がうまく行かないのは当然なのかもしれない。この頃の中国の紆余曲折を日本も含めた後の世の人々が学んで今の世につながっているのですね。2025/02/08
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