出版社内容情報
動乱の江戸末期、来たるべき近代国家への苦悩と希望を描いた巨編!! 時代の流れに翻弄されつつも、自らの使命を全うした武士・伊武谷万次郎と医師・手塚良庵。二人の男の生き様を軸に、近代国家幕開けまでを作者自らのルーツを織り混ぜながら描いた幕末感動ロマン!!
▼第1話/テロリストの夜▼第2話/永沢村異問▼第3話/農兵節▼第4話/浪士組結成▼第5話/恩師江戸入り▼第6話/宝珠を切る▼第7話/天網恢恢▼第8話/真忠組●登場人物/伊武谷万次郎(府中藩士で、歩兵組の統率にあたる。剣の才能に恵まれている)、手塚良仙(=良庵。父・良仙の死後、3代目良仙を名乗り、軍医になる。女好きだが、腕は確か)●あらすじ/良仙の恩師である緒方洪庵が亡くなった。洪庵の亡きがらを前に、良仙は、軍医の道を歩むことを決めた。そしてこの時の決意が、後の彼の運命を変ることになろうとは、この時の良仙には予想できはしなかった。一方、留学から帰国した諭吉は、自身の塾を作る決意をしていた(第7話)。▼過去、万次郎の父・千三郎を闇討ちし、結果的に死に追いやった楠音次郎が、尊皇攘夷の名目で誠忠組を結成、上総の村の略奪行為をしていた。万次郎は、歩兵組を使い、誠忠組征伐を命ぜられる。だが誠忠組は農民が大半で、同じく農民で結成されている歩兵組は、自分たちと同じ農民は殺せないと出陣を渋った。その日の夜、良仙が万次郎の元を訪れた。驚く万次郎に対し、良仙は屯所付きの軍医になったと答えた。そしていよいよ出陣の日が来た(第8話)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字の旅遊人
28
農民を軍隊化する歩兵隊の訓練・指揮を万二郎が任される。時代がどんどん動いていく中、農民による武力行使組織の重要性が増すのだろう。こうなると武士という家系的軍人の存在も曖昧になるよなあ、と思う。平助が万二郎を野山で農民として教育した以前のシーンとは逆の展開。体が資本と言う意味では同じなのだが、意識と使う能力は全く違うのだ。そして三代目手塚良仙の切創・腹部外傷、さらには植皮手術。さすがブラック・ジャックの手塚治虫だが、この頃のオペってどんな光景だったのかな、と思いを馳せる。この描写はさすがに現代?2025/07/06
ゆりまなっとう
10
お紺は今や経営者。頑張って欲しい。2021/08/10
コジターレ
8
万次郎、良仙、お紺の運命がこうやって交わってくるとはなぁ。適塾出身者も多く出てきて、『花神』を読んだ後でラッキーだった。あと1巻で終わりなんて、寂しいなー。2017/02/27
Myan2Myan
6
良庵は父の死後、三代目良仙を継ぎ軍医となり、万次郎は歩兵組の隊長に就任。 時代は文久三年、浪士隊が結成され、平助も参加する事に。時代のうねりの中、お紺にも最大のピンチが…手術が成功して良かった。2018/05/09
むきぐり
3
新選組も登場。いよいよ佳境。万二郎と良庵(良仙)がまた同じ場所で。どうぞ皆さんご無事でと思う母の心境。2017/09/24