出版社内容情報
愛と憎悪、複雑な人間の感情を描く感動巨編
義父グレッグの常軌を逸した行為にさいなまれ、ジェルミは追いつめられていた。誰にも自分の苦悩を打ち明けられない。やがてグレッグへの憎しみは、殺意へと変貌していく。新たな局面を迎える大型サイコサスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
毒兎真暗ミサ【副長】
47
ナターシャから脱出のヒントとなる心理学の本を借りたジェルミ。作者オーソンと出会い「グレッグ殺人計画をたてよう」と奇抜な治療が始まる。オーソンの同居人バレンタインの無垢な優しさ、オルガン奏者のナディアに恋し明るい学生生活だが、週末はグレッグに穢される悪夢が続く。片恋のナディアもイアンの手に。その中での小さな気づきとは。ジェルミはいつもイアンの前でだけ感情が昂ぶる事。この行動心理が今後の鍵となりながら突然オーソンの死が訪れ……ジェルミ一人で挑む【グレッグ殺人計画】が開始する!動機は善なり。緊迫の第三巻!!2023/03/31
そらねこ
24
素朴に何故ここまで人を傷つけて痛めつけて興奮する性癖があるんだろうかと思う…。酷すぎる。そんなグレッグを殺してしまいたいと思うのは正当な権利だと思う。オーソン先生に出会えて良かったと思えたのに…どれだけジェルミは酷い思いをすれば良いのか…2017/01/28
ぱんちゃん
17
苦しくて辛くて汚らわしいのに読む手が止められなかったです。そして10巻まであるのを今知って愕然と。凄い話だ。2017/01/30
UC
16
積みから読了。まず登場人物の誰も疑問に思わないのかが少々疑問ですが、きっとまさか自分のすぐ近くでこんなにも屈辱と憎悪にまみれた悲劇が潜んでるなんて思ってもないのでしょう。あと死んでしまったオーソン先生のカウンセリング時のセリフはとても興味深かったです。出来ればもう少し登場しておいて欲しかった。他人の幸せを願うばかりに自らの身を省みる事がなくなってしまうという事ですね。…あー、なんか自分にも当てはまるような~_~;気をつけていきたいと思います。2015/12/12
赤とんぼ
15
「君の持ち続けているその絶望にはいまだ名前がないのだ。誰もその名を知らないのだ。その絶望の名前を」 そう言いながら「自ら死なないと約束してくれ」というオーソン先生はすごい。そして、この状況で、未だ正気を保っているジェルミの強さもすごい。自ら死ぬこともできず、逃れられない壮絶な絶望にさらされ続けた時、人はしばしば、狂気へと逃げ込むのだと思う。生きながら自分の精神を砕きつくす狂気こそが、救いだからだと思うが、狂気は最終的な救いには決してならない。 彼は強い。彼の強さだけが希望であり、哀しみでもある。2018/05/05
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