出版社内容情報
超未来の地球を大スケールで描くSFロマン
受胎したキラの強大な共感能力は、キラが感応した者のみる夢を実らせる。新しいマザのお披露目の日、グリンジャに導かれた世界の死を夢みる者たちに共感したキラは大洪水を引き起こす。そこでキラが見たものは…!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だいだい(橙)
34
何年かに一度は再読したくなる名作。マルグレーブに雇われた能力者とキラの戦いが始まります。その結果は・・・。ネタバレ禁止。それにしてもスケールが大きすぎてびっくり。伏線を一気に回収したわけだけど、この結果は「母親」アーリンに話されるのか。そこはさすがにうまく触れないままに逃げ切りましたね。マルグレーブの人間性、最後の一言。そして最後まで付き合ってやったアシジン。萩尾さんの名作にはアシジンのような基本陽性のキャラが必ず出てきて、背骨のような役割をしています。読後感がさっぱりしてるのもそのおかげかな。2024/03/24
くたくた
29
都市の社会秩序の破壊を目論む砂漠の男たちはキラ、アシジン、グリンジャを巻き込み、滅亡の時を待つ滅びた都市からの巡礼者、超能力者、やむにやまれず関わった者、自ら飛び込んだもの、それぞれの思惑や人生を複雑に絡めとりつつ、事態は破局に向かう。そしてカタルシス。キラの魂は病んだ地球の魂と呼応して、地球の命の復活の兆しとなる。もう一人のキラはこれから命を育んでいくのか。物語は螺旋を描いて、また砂漠の岩屋に戻った。ナースタースとメイヤードの愛は切なく、アシジンはあくまでも単純で健康的。虚無にはなりきれないグリンジャ。2025/06/08
yumiha
23
たぶん再読。こんなにも怒涛の最終巻を覚えていない私の腦は、きっとスカスカ。アシジンとマルグレーブの対決は、まるでこの二人が主人公のようだと思ふ。第2巻も第3巻もグリンジャの存在、薄っ。センザイ師の変身には、不謹慎ながら笑った。う~む。人間はすでに地球の律動を感じられない体内センサーしか持ち合わせていないこと、だからこそ、そんな体内センサーを感じられる物語や作家が好きな自分を再発見させてもらった。2016/02/13
arianrhod
10
壮大なストーリーでした。今ではよく知られているディストピア設定ですが引き込み感があった、面白かった。1巻の数ページを読んで購入することを決めたのは自分でも最良だと思った。2017/09/13
KAMAKURA
9
世界観が独特すぎて、ついていけん。 様々なテーマを内包しながら何やら思わせぶりな登場人物たちが入り乱れつつ終局をむかえる。 こうような作品は戯曲として宝塚歌劇団などで演じられるときっとうまくハマるんだろうな(「宝塚」観たことないからわからないけど、なんとなく)。 とどのつまり「No Woman No Life」に尽きる。2020/05/01