出版社内容情報
ぼくたちはロケットが大好きだった。土曜日の朝の宇宙空港、爆音とともに大空へ消えゆく光点。いつかあのロケットで星の海を渡っていくことを、ぼくたちはずっと夢みていたのだった…。少年たちの宇宙への憧れに満ちた表題作をはじめ、深海の闇にまどろむ恐竜を100万年の時を越えてよびさます「霧笛」、万聖節の宵は妖魔たちの饗宴「集会」など、レイ・ブラッドベリの傑作短編を萩尾望都が描く、珠玉のSFポエジー全8編。
少年たちの宇宙への憧れに満ちた表題作をはじめ、深海の闇にまどろむ恐竜を100万年の時を越えてよびさます「霧笛」、万聖節の宵は妖魔たちの饗宴「集会」など、ブラッドベリの傑作短編を萩尾望都が描く!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
93
久々に萩尾望都堪能!(最近も話題の人ですね) 一昔前は少年を描かせたらこの人だった。 ブラッドベリの短編集から。 ”霧笛”大好きな話ですが、こんなんだっけ?マンガにすると違って見える。 子供の時は絵も真似したが、絵心が退化したので今は見るだけ。2021/03/12
コットン
83
今まで読んだ作品はレイ・ブラッドベリは『華氏451度』のみ、萩尾望都は『バルバラ異界』のみですが大変楽しめました。気に入ったのは『霧笛』:さみしい浜辺によする波に似た音を作った男がもたらしたものは…。『みずうみ』:遠い昔のため忘れていた、幼いころ一緒に海で遊んだ少女が10年後の新婚旅行のとき、その海の中に一緒に遊んだ少女が10年前のまま見つかって…。2016/12/13
かりさ
76
ブラッドベリ作品から萩尾望都先生が厳選して描いた作品集。これは知らなかった…遠い昔出会っていたらブラッドベリにも会っていたな。ブラッドベリと萩尾先生のSF世界の融合の美しさ。萩尾先生の描く耽美な世界。うっとり。特に大好きな「みずうみ」はやはり秀逸。ブラッドベリ作品と読む贅沢。素敵すぎる。2019/01/26
mocha
69
原作と読み比べ。漫画だと格段に読み易いことを改めて実感する。『みずうみ』は原作を忠実に再現しているが、同じ文章でもその配置、コマ割りの巧みさでより抒情的な美しい作品になっている。表題作『ウは宇宙船のウ』やはり少年の心の機微を描かせたら天下一品!2021/08/02
Y2K☮
43
「華氏451度」が又映画化されるとか。世界情勢へのメッセージ性が強そうだけど、どうせならそういうのを抜きにしても楽しめる作品にして欲しい。たとえば本書の様に。恩田陸はこれの後で原作を読んだらしい。私もそうする。まさにコラボの理想。ところで著者とブラッドベリの高い親和性は何処から来るのか。特に表題作。著者のために書かれた話ではないかとさえ感じた。芥川龍之介は過去の日本を舞台に己を含む現代人の苦悩を暴き、著者は近未来を舞台に青少年の揺れる葛藤を描いた。共に繊細で凛々しい筆を武器に。そこか。いいヒントを貰えた。2017/05/31