IKKI COMIX<br> period 〈5〉

電子版価格
¥759
  • 電書あり

IKKI COMIX
period 〈5〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ コミック判/ページ数 221p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784091886705
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C9979

出版社内容情報

流転する運命を生きる兄弟の物語。完結!

主人公は二人の幼い兄弟、迥(ハルカ・兄)と能(ヨキ・弟)。母親は家を出たまま戻らず、兄弟は父・戒人と3人暮らし。冷徹な大学教授である父は、毎日のように兄弟に理不尽な暴力をふるい、二人はそれに耐える日々を送っていた。しかしそんな父は、“ある事故”を境に、別人のように穏やかになり、その後、入退院を繰り返すようになる。やがて父は二人を我が手で育てることを断念し、家を売って金を作る。そして、その金を預けた貸金庫の鍵を迥に託し、一人、終わりのない入院生活に入った――。父の“影”に支配されつつ二人で生きる兄弟、そして出会った仲間たちの流転する運命の物語が、連載開始から11年を経てついに完結!!

【編集担当からのおすすめ情報】
単行本1巻ごとに、住む家を失うことを繰り返してきた兄弟。今回の第5集でたどり着いた古ぼけた一軒家が、今度こそは安住の地となるのでしょうか? 長い長い物語の末に待ち受けるのは、ありきたりのハッピーエンドでも、ありきたりのバッドエンドでもありません。どうやって、主人公たちを生かし続けることができるのか? 誠実に、誠実に物語を紡ぐこと。そこから決して逃げない作者の静かな闘いの結末を見届けてください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゃりんこママ

42
本来なら収拾出来る話では無いのだが、そう来たか!と、いう感じ。重荷を背負って生きるということは、実は他の小さな困難が大した事に感じなくなる。乗り越える為に足元を踏みしめ、知恵を絞って生きているからだ。生きている限り、ピリオドは無い。作者さんとは同じ世代なので、結局同じ視点になったかと思うと感慨深い。2014/12/12

ぐうぐう

23
様々な種類の暴力がこの漫画の主題ではあるけれど、もうひとつ、「家」というのも、重要なテーマだったようだ。そう考えれば、1巻ごとに、兄弟はその居住場所を変えていく。抗えぬその強要も、またひとつの暴力だ。モノローグにあるように、「世界には地雷のように 暴力が埋まっている」。兄弟の運命にゴールがないように、彼らを襲う暴力にも終わりがない。その終わりのなさこそが、最大の暴力だろう。タイトルが、あまりに皮肉だ。しかし同時にそこに、ほのかな希望も宿っている。2014/12/26

aoneko

18
完結してよかった。「かわいそうな子だから」という理由で助けてくれる子とか、それもまた暴力だと思う、生きることや死ぬこと、全てに真剣に考えた...というだけあって、思考停止に陥らなさが、逆に苦しいんだけど、完結したことと続いていくようなラストに、ひとまずほっとした。 2014/12/02

ちぇしゃ

17
直接的な暴力と、間接的な暴力、どちらも傷つくことは変わらないけど人間の心の底の澱みは、傷から生まれる。善意と悪意のはざまで、保護者を持たない登場人物たちは天真爛漫さと残酷さ、賢さとずるさなどの境界線上をさまよいながら、徐々に成長する。理不尽な暴力に対して、終止符を打つ時とはなんなのか、そしてピリオドが打てずに残る傷、そのほかに受け継いでいく記憶と、それぞれの抱える思い。暴力の連鎖の問題を感情論や精神論にせずに描ける手腕、最後の長編でもありますが、吉野朔実の真骨頂だと思います2017/06/12

赤とんぼ

17
最後にこのPeriodとは思わなかった、父の遺品。「憎悪に囚われるより、幸福に囚われたほうがいいに決まっている」とは名言。愛は幸福にも憎悪にも化けるからなあ…。だからこそ、己の内の憎悪に囚われないことが、大切なのかもしれない。吉野さんの世界が見事に表れた名作。まだたくさんの作品が読めると、単純に信じていた。ご冥福をお祈りします。2016/05/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8353022
  • ご注意事項