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出版社内容情報
入手困難だった伝説の名作、圧倒的復刻版!
ビッグコミックオリジナルの話題の連載、村上もとか『フイチン再見!』の主人公のモデルとなったのが、長谷川町子と並ぶ「女性漫画家」の開拓者
上田としこ。まだ、漫画家という職業も、まして女性の漫画家などその存在すらなかった時代に、その道を切り開いた上田としこの代表作が『フイチンさん』である。単行本は何度か刊行されたものの、いずれも未完で、刊行されてもアミが抜け落ちていたり、扉が欠けていたりと不完全なものだったが、今回、連載時の雑誌、各種単行本、また新たに発見されたカラー原稿などを付け、初めてほぼ完全な形で、復刻する。下巻巻頭口絵では、四色、二色で描かれた原稿をカラーで収録。巻末には特別寄稿「わたしのフイチン」田村セツコ、ちばてつや、穂村弘、奈良美智、川本三郎収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
時代を経ても全く古びない流麗な描線、軽妙洒脱でユーモア溢れるセリフ回し。
エキゾチックなのにご近所さん。つまり、登場人物が今なお生きています!入手困難だった伝説の名作を是非、お読みください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アオイトリ
28
高野文子マンガ繋がり) 戦前のハルピンは中国、モンゴル、ロシア、日本と様々な言葉が飛び交う国際都市。大金持ちに雇われた門番の娘が主人公。手塚治虫を思わせる流れる筆致と豊かな表情、特に笑顔が最高!貧しくても卑屈にならない。真面目に働く父を愛するお転婆。義侠心に富む彼女が子守として雇われて冒険の日々が始まります。目的を設定して努力の日々を送る今の子どもらとの違いを痛切に感じます。ただ、今を楽しんで生きることが当たり前だった時代。いつのまにか、格差に囚われていた自分が恥ずかしくなりました。名作。2025/09/10
みーなんきー
14
フイチンさんを描いた上田トシコ先生に、きつく辛くあたった編集者は、実は単身で娘を育てている男性で、こんな本誰が読むか!とけなしつつ、全巻揃えていた。そしてその娘がフイチンのお陰で、自分の孤独な境遇に負けずに頑張れた、という…回り回って編集者の男を支えていた、という話だ。2022/12/31
はる
11
図書館本。フイチンさんの伸びやかによく動き回り表情豊かに跳び回る様子と、唐子のように(ようにじゃなくてリアル唐子だ)カワイイ坊ちゃんの物語りを、桜が咲きはじめる季節に読む。まとめて読み通せて良かった。雑誌連載で読んだ人、特になかなか続きを追えなかった人は恋に焦がれるように辛かったかも。2017/03/28
gtn
10
敵をも味方にするフイチンの底なしの楽天主義。痛快。2018/09/15
還暦院erk
9
高価なので購入をためらってきたが、上下巻通読出来て本当に良かった。上巻では、どちらかというとフイチンさんのキャラやお転婆騒動を楽しむという感じの作品だったのだが、下巻ではフイチンさんの周りの世界が大きく広がっていく。そして、悪役も含め殆どの登場人物が物語世界で「成長」するのだ。フイチンさんの許婚問題の「落としどころ」にも感心してしまった。流石! 2018/04/20




