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出版社内容情報
愛と平和、SEXと暴力……“家庭”こそが、第三次大戦の戦場だった。大反響を呼んだ20世紀最高最後のネオ・ホームドラマ。全面新装版登場!!
▼第24話/連れ戻す▼第25話/部屋にこもる▼第26話/子供を殺して、自分も死ぬ▼第27話/妹は学校へ行く▼第28話/屋上にのぼる▼第29話/赤いクツを買う▼第30話/母は買物へ行く▼第31話/母が解放される▼第32話/説明を受ける▼第33話/彼らとともに眠る▼第34話/昌子が再びパニックに陥る▼第35話/お茶を飲む ▼第36話/メガネ男が再び空を飛ぶ▼第37話/彼らが貴子を訴える▼第38話/母が消える▼第39話/父が学校へ行く▼第40話/母は青空の下へ立つ▼第41話/人々がつめかける▼第42話/ムシ君が逃げ込む▼第43話/たてこもり続ける▼第44話/父が回想する▼第45話/再び会社の人が来る▼第46話/解散する▼最終話/人は死ぬ ●登場人物/鈴木貴子(鈴木家の次女。中学生)、鈴木昌子(鈴木家の長女。私立の女子高生。だが、登校拒否で学校を休んでいる)、鈴木一郎(貴子・昌子の父。会社では課長だったが、突然解雇され現在はファミリーレストラン「死んだ牛」店長) ●あらすじ/自分の猥せつな写真が雑誌に掲載された貴子は、学校で噂の的だった。クラスメイトのうるさい視線から逃れるように貴子は屋上にのぼる(第27話)。そこで貴子はムシ君に出会うのだった(第28話)。▼母のよう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
10
本当に強烈だし、感動的な作品。最後は唐突だし、有耶無耶にしないほうがいいことまでしてしまっている気もするけど、その途上の壮絶さが上回っている。最後のセリフを小津の引用で終わらせている点がクール。「日本の家族」の表象の歴史を意識させるし、「オリジナリティ」という下らない概念を馬鹿にしてるから。籠城、カルト宗教、内部分裂、パターナリズムと、この頃から『レッド』に連なるテーマが出揃っている。2020/02/01
阿部義彦
10
山本直樹、過渡期の傑作。糸井重里の家族解散、文庫で復刊しないかしら?筑摩あたりで。スクラップ家族のスリリングな行く末は、、「家族中毒」「うちのオヤジはどうしようもないクズだけどさ、言いたいことちゃんと言ってるだけあんたよりはましだよ。」現代社会の寓話。痛すぎる。そして、女は強い。2015/08/02
cho
5
ハートの刻印を額に刻み、オヤジは家族を守る。ほどんど暴力と言ってもいいほどの常軌を逸した空回りで、泥のお城を必死でかためる。お城は崩れる。いよいよ家族は離れていく。オヤジはついに、お城を自ら完全に壊す事を決意して。90年代、家族の危機がしきりに叫ばれたあの時代に「家族とは?」というテーマを容赦なく実にストレートに描ききった、山本直樹の怪作だと思う。で、結局、家族って何だった? お話の最後の最後、オヤジが家族に向けたいく言かの言葉が、そして終わりの言葉が、心に沁みた〜。ズシンと重い、『喜劇・家族神話』。2011/06/11
ロッコ
1
少しひっちゃかめっちゃかな感はありましたが、かつ、題材も重いながら、面白かった。2018/07/06
makoppe
1
1つの家族に90年代問題になった新興宗教、売春、いじめ問題や少年犯罪などをすべて詰め込んだ漫画。そのような中で「家族が一緒にいる」で解決している家族神話を解体させ、「1人で生きていかねばならない時代」を示唆している。山本直樹流の90年代の総括が、ここにはある。2015/01/10