出版社内容情報
「藤村」から西新橋の料亭「桜花楼」に移った伊橋。合理主義を唱える副社長兼“立板”のやり方に戸惑いと憤りを感じつつも“起爆剤”として奮闘中。
▼第1話/おろし金▼第2話/あしらい▼第3話/賀茂ナス▼第4話/落ち鮎▼第5話/ハモ▼第6話/吹き寄せ▼第7話/共地煮▼第8話/ボラ▼第9話/味噌床●登場人物/伊橋悟(新宿の料亭「藤村」の板前。西新橋の老舗料亭「桜花楼」に助っ人に行くことに)、岩倉(「桜花楼」の社長の息子で副社長。板場では“立板”だが、実権を握っている)、吉田(「桜花楼」の“煮方”。副社長の腰巾着で、伊橋を疎んじている)、飯塚(「桜花楼」の“花板”。かなりの腕前だが、板場の長としての感は薄い)、早瀬(「桜花楼」の“追い回し”1年生。お調子者で酒癖が悪いが、憎めないところがある)、青田(「桜花楼」の“追い回し”1年生。まじめな努力家だが、店のシステムについて行けないものを感じている)●あらすじ/ある日のこと、仕事を終えた伊橋は、熊野の部屋に呼び出された。熊野によると、彼が修行時代に世話になった西新橋の老舗料亭「桜花楼」が、腕の立つ板前を助っ人に求めているという。先代への義理もあり、また、伊橋に頼りきりの渡辺をひとりだちさせたいとも思っていた熊野は、伊橋に“助”に行くよう持ちかける。話を聞いた伊橋は、これも修行のうち、と「桜花楼」に行くことを決意