出版社内容情報
人の命を助けるはずのメスが、怪物を産み出すことになろうとは!! 激動のヨーロッパを舞台にした、戦慄のサイコ・サスペンスいよいよ発進。
▼第1話/ただいま▼第2話/行くべきところ▼第3話/ルーエンハイム▼第4話/静かなる銃声▼第5話/吸血鬼の家▼第6話/疑心暗鬼の町▼第7話/完全な自殺▼第8話/安らぎの家▼第9話/殺戮の町▼第10話/忘れたくない記憶●登場人物/天馬賢三(脳神経外科医)、ヨハン・リーベルト(他人の命をもてあそぶように奪う“怪物”)、ニナ・フォルトナー(=アンナ・リーベルト、ヨハンの双子の妹)●あらすじ/フランクフルトの廃虚で、ヨハンとニナはついに再会を果たす。“赤いバラの屋敷”で起こった惨劇を語るヨハン。しかし、ニナはヨハンに対し「違う」と言い放つ。そして、廃墟に駆け付けたテンマが目にしたのは、自分のこめかみに銃口を押し当てるニナの姿だった。拳銃を取り上げたテンマに、彼女が語った衝撃の真実とは…(第1話)。▼“赤いバラの屋敷”で惨劇を目にしたのは、ヨハンではなくニナだった。ニナの話を聞いたヨハンが、それを自分の体験だと思い込んでいたのだ。ニナは、すべてを知ったヨハンが「自分自身を破壊する」と予想。そして、廃墟を立ち去ったヨハンは…(第2話)。●本巻の特徴/真実を知ったヨハンが「完全な自殺」を開始。新たなる惨劇が…!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
163
いよいよ謎が解けて来たような解けてないような?なんか不思議な感じ。遂に最後の話に突入するみたい。2016/03/27
Y2K☮
32
誰かの話を聞ける。それは心の優しい人にしかできないこと。即ちヨハンは余りにも優し過ぎた。そして周囲に影響され易く、思い込みが強過ぎた。テンマの愚痴を真に受けたり、ニナの長い話を親身に聞き続けたり。その性格と並外れた頭脳、更には生来のカリスマ性が愚かな人々の悪意と混然一体となり、怪物を生んだ。彼の最後の標的はもちろんあの男だが、それさえも思い込みにしか見えない。彼から派生した疑心暗鬼のドミノが徐々に穏やかな町を蝕んでいく。ささいな疑惑の種をひとつ撒くだけで容易に互いを殺し合う。怪物より怖いのは人。次巻完結。2018/01/06
眠る山猫屋
22
再読。ヨハンは全てを“完璧な自殺”に収斂させるべく、フランツ・ボナパルタの穏棲するルーエンハイムへ。一方、テンマに先駆けてルンゲ警部とグリマーさんもルーエンハイムに。キングの『ニードフルシングス』のように、悪意が町を覆い尽くしてゆく。吐き気がするほど、空気が重たいよ・・・。2016/06/27
まあか
19
ついに残すはあと1巻のみ。えげつない世界だけど、どうなるの??
十六夜(いざよい)
13
“赤いバラの屋敷”で惨劇を目にしたのは、ヨハンではなくニナだった。ニナの話を聞いたヨハンが、それを自分の体験だと思い込んでいたのだ。ニナはすべてを知ったヨハンが「自分自身を破壊する」と予想。そして廃虚を立ち去ったヨハンは…。いよいよ終焉に向かい、重要は人物たちが揃いつつある。絵本の作家である、フランツ・ボナパルタは生きていた。ヨハン、テンマ、ニナがルーエンハイムへ向かう。いよいよ最終巻。2015/09/20