出版社内容情報
時は戦国時代、武田信玄統治下の甲斐に代々「ムカデ」と呼ばれる頭の率いる金山掘り集団がいた。しかし金があと5年でなくなることを知った彼らは、新しく生きる道を探すべく山を降り、戦場へ向かう……。「墨攻」の森秀樹が描く壮大なロマン!
▼第1話/強右衛門(すねえもん)▼第2話/磔(はりつけ)▼第3話/用間▼第4話/設楽原決戦▼第5話/落ち武者狩り▼第6話/別れ▼第7話/二代目てん▼第8話/石垣普請▼第9話/仕掛け●登場人物/左吉(山に入る忍びを取り締まる“金縛り”であったが、金掘り衆の新しい頭に)、てん(ムカデの大頭に直接情報を伝える“耳走り”。左吉に思いを寄せている)、さや(武田のくノ一“歩き巫女”として育てられた少女)●あらすじ/武田軍に囲まれた長篠城城主・奥平定昌の命によって、織田・徳川連合軍からの援軍を確認するため走る強右衛門は徳川家康の居城・岡崎城に辿り着く。そして援軍が得られることを確認するや、来た道をひた走るのであった。長篠城の近くまで戻り、「援軍あり」の合図となる狼煙(のろし)を上げようとしたその時、武田側のムカデ・左吉とてんに見つかってしまうのであった……(第1話)。●その他の登場人物/織田信長(天下を狙う武将)、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉。信長の家臣)、武田勝頼(信玄の息子)、金蔵(金掘り衆の先代の頭の息子。左吉を憎んでいる)、ぬえ(信長に仕える謎の女)