出版社内容情報
土を焼かずに欲を焼く輩を斬って捨てる、裏陶工師・浜田陶太。日本陶芸界に昂然と反旗を翻す天才陶芸師の名勝負の数々!
▼第1話/自由窯の男▼第2話/越前から来た女▼第3話/壼に流れる泪▼第4話/壼と泪と鬼二匹▼第5話/油滴斑という名の可能性▼第6話/炎の中の真実▼第7話/二つの壼が泣く??その泪!▼第8話/“姫”が陶太を呼ぶ??運命。▼第9話/姫が泣く。陶太の手の中で…●登場人物/浜田陶太(窯元「自由窯」を主宰する若き陶芸家。「裏陶工師」という闇の部分を併せ持つ青年)、中西錦之助(美術商「炉壇(ろだん)」の放蕩息子。父親の命令で、陶太と行動を共にすることに)、夏津子(陶太の弟子。留守がちの陶太に代わり、「自由窯」を取り仕切っている)●あらすじ/東京・下町の美術商「炉壇」の二代目・錦之助は、ある日父親から奥多摩にある窯元「自由窯」の窯主・浜田陶太に取り入って親しくなるよう命じられる。「浜田陶太にへばりつけば絶対金になる」という父親の言葉を信じて「自由窯」を訪ねる錦之助。だが、頑固で偏屈な老人陶芸家、という錦之助の予想に反し、陶太は穏やかな性格の青年だった。すぐに彼の陶芸教室に入門した錦之助は、計画通り陶太と親しくなることに成功する。そしてその夜、陶太はスーツ姿で高級車に乗り、どこかへと出かけて行った。後を追った錦之助が見たものとは