出版社内容情報
殺伐とした戦国時代も終わって、江戸時代は泰平の世の中。しかしこんなときでも、悩む人や苦しむ人はたくさんいる。彼らを医術と剣術の二刀流で救う乍晴太を、魅力的に描いた快作。
▼第１話／春近し▼第２話／夏は来ぬ▼第３話／秋立ちぬ▼第４話／冬来たりなば▼第５話／花残る▼第６話／夏に満つ▼第７話／秋、実る●登場人物／乍晴太（たちまちはれた・ボロ長屋で医者をしながら、町内で起こる難問を次々と解決する。かつては剣術に没頭する武士だった）、神林重之（晴太を父の敵と知りながらも、彼の広い心に打たれて弟子入りする）●あらすじ／ボロ長屋に、乍晴太という男が越してくる。かつての彼は剣の道を極めた武士だったのだが、果たし合いで何人もの人を殺した自分を嫌って、いまでは傘張り職人兼医者になっていた。ところが、身に付いてしまった「達人の雰囲気」を隠すことはできず、彼は立ち合いの相手を求めていた浪人に挑戦されてしまう。はじめのうちは相手にしなかった晴太だったが、その浪人があまりにもしつこくつきまとうため、ついに挑戦を受けてしまう。そのとき晴太の手には刀ではなく、１本の縄が握られていた…（第１話）。▼晴太の近所に住む職人の子・半助が、武士の子とのチャンバラで手首を骨折してしまった。そのころのチャンバラでは木刀を使っていたため、子供同士でも相手に大怪我を負わせることがあったのだ。そこで半助の治療の最中、「子供の闘
